| 吉利の美日シリーズが発売から5年経過しているにもかかわらず、トヨタがこの時期を選んで提訴に踏み切った背景には市場的要因があると専門家は分析する。
今回のケースは自動車分野で外国企業が絡む初の知的財産権訴訟となる。しかし、過去を振り返ると、中日両国の企業間では数多くの争いが続いてきた。日本のホンダは1997年以降、上海の飛羚摩托車、浙江黄岩華日(集団)、河南黄岩華日(集団)新郷市摩托車有限公司を相手取り、ホンダ小型バイクKCWの意匠権と特許権を侵害したとして提訴。背景には、中日バイクメーカーによる国内外市場での競争激化があった。2000年以降、それまでは日本メーカーの独壇場だった東南アジア市場に中国製バイクが猛烈な攻勢をかけ始めた。高品質・低価格という強みで中国製バイクは東南アジア市場で80%近くのシェアを確保。中国国内市場を見ても、日本製バイクの価格は国産バイクの2〜3倍と高価なため、日本からの直輸入バイクの販売が大幅に落ち込んでいる。
業界関係者の指摘によると、中国の自動車製造業はこれまで国外メーカーに追随するばかりだったが、ここ数年は猛烈な成長ぶりで、吉利汽車のような新興企業が独自ブランドや研究センターを持つまでになったという。しかし、中国製自動車の「モノマネ」にはなお批判が残っている。吉利の乗用車の前部や2つの大型ヘッドライトはベンツ、美人豹のスポーツカースタイルはフェラーリに酷似しているなどの指摘がある。
専門家は、中国メーカーに対する知的財産権侵害の訴えは、日本の乗用車が価格では中国車と競争できないためにとった新たな戦略と分析している。日本メーカーが中国で出願した特許件数は持続的に増加、昨年は前年比38.9%増の1万3736件に達した。この数字は、国外からの特許出願の3分の1を超え、英語圏各国の総計をはるかに上回る。こうした動きに対応するためにも中国企業は今後、技術研究だけでなく、独自の知的財産権に関する意識を強化する必要に迫られている。
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