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  2003年7月1日 16:00


現場直撃:小中高生の特殊な消費傾向

 広州でバスに乗っていたら、白のホンダ・アコードが目に留まった。助手席にはFLAの新型スポーツバッグが置かれている。運転手は制服を着た、どうみても17歳以上には見えない少年だった。

 小学校のクラス担当教師をしている友人によると、放課後、クラスの腕白少年が事務室にやってきて、カバンから「これ、父から先生への贈り物」と何やら包みを取り出した。開けてみると、中に入っていたのはサムスンのカメラ付き携帯電話。すぐに元通りにして少年に返し、「話がしたいから」と翌日親を学校に呼んだと友人は話す。彼女は大変心を痛めていた。

 記者は子どもたちの高消費生活に関するアンケート調査を企画し、主任教師の友人に依頼して、授業前に実施してもらった。小学5年生47人のクラスの中で、一部高級ブランドの名前や価格帯を知っていたのは39人、実際に使っていたのは15人。一週間の小遣いが50元以上と答えたのが17人、100元以上が10人。市内高級店の場所を知っていたのが45人、実際にそこを訪れたり、利用方法を熟知していたのは40人という結果になった。

◆クレジットカードの使用

時間:5月18日(土)午前10時

場所:北京路広州百貨大厦

対象:クレジットカード消費族

 広州百貨大厦の7階スポーツ売り場のレジカウンターで、午前10時から11時まで、クレジットカードで買い物をした6人の子どもを取材した。3人は親に付き添われて、2人は友人と一緒に、残りの1人は自分だけで来ていたようだ。カードを出し、パスワードを入力、サインをする。一連の動作がとても自然に行われていた。ナイキコーナーで、780元のスパイクを子どもに選ばせていた母親に話を聞いた。中学生となったばかりの息子は、小学校の頃から校内サッカーチームのエースストライカーだった。重点高校の入試では、スポーツのできる生徒が有利と聞き、息子の特技をずっと応援してきたという。平均して月一足のシューズを履きつぶすので、最初は100元程度のものを買っていたが、「チームメイトは皆ブランド品を履いている。一足1000元のシューズや、上下で2000元のウエアだから、自分は見劣りする」と息子が不満をもらした。それに安いウエアは吸汗性が悪く、安いシューズはすぐに底がすり減るらしい。母親は彼の言い分を認め、自分で選んで、報告させるようにしてみた。何度かやっているうちに、息子の選択が悪くないことに気づいたので、今はすべてまかせるようになったという。クレジットカードを一枚渡し、定期的にお金を入れておく。そうすれば息子が自由に使えるし、金銭感覚も養えるということだ。

 母親によれば、家庭収入は広州の中流レベルくらいで、半分以上を息子のために使っている。けれど13、4歳というのはお金がかかる時期だし、生んだからには十分なことをしてやりたい、と話していた。

 牡丹カード(工商銀行)と金穂カード(農業銀行)を使い分ける女子学生は、「一枚は両親が自分用にくれたもの。一枚はへそくり」と得意げに話してくれた。親が定期的に入れてくれるお金を引き出して、もう片方の口座に移しておく。そうすれば、家の人に言いたくない出費があっても、ごまかすことができるというのだ(今の子どもはなんと賢くなったのだろう!)。彼女に言わせれば、普段はたいしてお金を使っていない。せいぜい雑誌、CD、人形、それにファンシー文具といったくらいである(衣食住や交通費等を親が払っているのなら、確かにたいした額ではない)。お菓子が大好きで、毎週友人と一緒にスーパーマーケットへ行き、一週間分のお菓子を買い込んでいる。そんなときもカードで精算すれば、偽札や釣り銭ぎれの心配もなく、明細を小遣い帳がわりにすることもできる。

 取材を進めるうちに、若い親たちの多くが、子どもにカードを持たせるのを性教育と同列に考えていることに気がついた。意識や考え方が変わっただけで、決して悪いことではないと言うのである。しかし、教育専門家に言わせれば、一定額の小遣いをただ渡すのではなく、家庭で必要なお金についてきちんと説明し、どれくらい成績を上げればご褒美をやるなどの基準を示すことが必要だ。そうすれば、口座残高にありがたみも感じるだろうし、余分な出費を抑えようと工夫するようにもなるだろう。

◆刺激を求めて

時間:5月18日(日)午後10時

場所:東風東路のハリウッド・ディスコ

対象:ディスコで遊ぶ少年少女

 取材したのは6人のグループで、上は17歳、下はわずか13歳。しかし口を開かなければ、見た目で年齢を判断することはできなかった。

 紅一点の文文は今年14歳。中学一年生にして身長178センチ、昨年三亜で開かれた下着モデルコンテストの決勝戦で、最優秀パフォーマンス賞を受賞した。いつも化粧をし、付き合いで赤ワインを飲むこともある。スリーサイズを自信たっぷりに話し、高級ファッションや香水によって女性らしさが増すことも気づいている。

 一番年上の阿明は、父親が仕事でカナダにおり、母親も昨年そちらに行った。今は祖母と一緒に暮らしているが、年内に中学の卒業証書を手にしたら、留学する予定と話してくれた。残りの4人も同じような家庭環境に育っている。彼らは新東方英語学校で知り合い、年齢も近く、話も合うので、よく一緒に遊ぶようになった。全員が携帯電話を持ち、そのうち5人はカラーディスプレイ付き。週末になれば、ディスコやバー、カラオケ、ゲームセンターなどお決まりのコースを楽しみ、交替で勘定を払っている。これを「社会経験」と呼ぶのだそうだ。「海外は教育システムが違うから、大人の世界をのぞいただけで、勉強ができなくなるとか、悪くなるとは言われないはず。僕らは盗みや恐喝をしたことはないし、自分たちができる範囲で楽しんでいるだけ。止めろと言われる筋合いはないと思う。それに状況は皆違うから、人一倍努力が必要な人もいるし、ちょっと頑張れば済む人もいる。李嘉誠は成功者だけど、李澤楷だって失敗したとは言えないだろう。」阿明が悠々と話していた。

◆交際費の高騰

時間:5月19日(月)午前11時

場所:茘湾区第35中学

対象:中学一年生

 第35中学校の事務室の協力を得て、同校の中学一年生の貯金額について調査した。その結果、半数以上の生徒が銀行口座を持ち、貯金額500元以下が34%、500元から1000元が54%、2000元以上が12%いた。「最高額はいくら?」という質問の返事はなかったが、唇の端に笑みを浮かべる生徒もいた。

 では、このお金はいったい何に使われてるのだろうか。実は一番の出費は友人との付き合いというのである。

 人民南路の中級レストランで、小学校の同窓会が開かれていたが、10数人が囲んでいたのは1000元以上もする食事。1人100元の会費を集めている。中学に通う女生徒の誕生日ということで、友人たちが二段重ねのバースデーケーキ、輸入化粧品、有名ブランドのスポーツバッグなど、さまざまなプレゼントを持参していた。一部の子どもたちは、誕生日にお祝いしてくれる友人の数や、プレゼントの内容によって、自分の価値を判断する。同級生の誕生日に投資をしておけば、自分のときに見返りがあるだろうと期待している。

 子どもたちの交際方法は、家庭や社会と緊密な関係がある。ある教育専門家は心配そうに、「小さい頃から俗世間的なものに触れていると、利己的で、拝金主義に育ってしまう」と話していた。クラスの担当教師をしている例の友人は、あのとき携帯電話を受け取っていたら、「お金があれば何でもできる」と彼に思わせてしまっただろうし、それに対する見返りがあれば、教師を敬わなくなっただろうと話している。

 昔からよく言われているが、「どんなに貧しくても教育が窮してはいけない。どんなに豊かになっても子どもを富ませてはいけない」という言葉が頭に浮かんできた。

 
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