高速鉄道寝台車に女性専用コンパートメント導入

北京・上海・広州・深セン4都市の高速鉄道寝台車において、輸送力に余裕がある場合、赤の他人と同一のコンパートメントを共用したくない乗客は、コンパートメント単位で乗車券を購入することが可能となる。たとえば、家族3人の利用で、他人に邪魔されずに１つのコンパートメントを占有したい場合、「コンパートメント購入」を選択すると、コンパートメント単位でチケットを購入できる。29日、中国鉄道カスタマーサービスサイト「12306」で、高速鉄道寝台車「コンパートメント乗車券」の発売が開始した。同時に、女性専用コンパートメントも導入された。北京青年報が伝えた。

○乗客1人が4枚のチケットを購入できる「コンパートメント乗車券」

北京青年報記者が29日、「12306」サイトで30日の北京西駅発・広州南駅行き高速鉄道列車Ｄ９０１号の寝台車乗車券を予約しようとしたところ、座席タイプの中に、「コンパートメント乗車券」という選択肢が現れた。この乗車券は、「本列車は比較的席に余裕があるため、2人用または４人用コンパートメントを、コンパートメントごと購入することができる。全座席が1枚の乗車券で網羅され、乗車券の表に乗客の情報が印刷される」と説明されている。

記者は試しに「コンパートメント乗車券」を選び、1人の乗客氏名を入力した後、「予約する」をクリックした。すると、システムは、この1人の乗客用に4人用コンパートメントの乗車券4枚を割り当て、4枚の券面にはいずれも、入力した乗客の氏名と身分証番号が表示された。4人用コンパートメント（2段ベッド2つ）全体の乗車券代金は4220元（約8万円）。ちなみに、4月10日から高速鉄道寝台車の価格改定が実施され、コンパートメント全体の代金は3千元（約5万8千円）となる。

「コンパートメント乗車券」の発売によって、「有効な身分証提示で購入できる乗車券は、同じ乗車日の同じ列車で1枚に限られる」という従来の規定が打破され、同一人物が、実名で、同じ列車の複数の寝台車乗車券を買うことができるようになった。「コンパートメント乗車券」は、ファミリー客の利用に好都合で、ひとつの家族を別々のコンパートメントに自動的に振り分けてしまうというシステム上の問題が解決される。だが、家族4人の場合は確かに好都合だが、3人の場合は、4人目の乗車券代金を負担しなければならないことになる。