札幌で開催される第8回冬季アジア大会組織委員会は19日、同大会の指定ホテルとなっている札幌アパホテルの客室内に、ネット上で大きな物議を呼んでいる右翼書籍が置かれていることについて、ホテル側に書籍を撤去するよう要請したことを明らかにした。新華網が伝えた。
第8回冬季アジア大会は、2月19日から26日まで、北海道札幌市と帯広市で開催される。開催コストを節約するため、選手村を設けることはせず、現地のホテル2軒を指定ホテルとし、選手を宿泊させることとした。札幌アパホテルは、指定ホテルの一つとなっている。
アパホテルが客室内に右翼書籍を置いていることが、SNSメディアで物議を醸し、非難の的となっている。アパホテルチェーン約400軒の計6万室あまりの客室には、アパグループ元谷外志雄会長が書いた書籍(日本語版および英語版)が置かれており、書籍では、南京大虐殺や慰安婦強制連行の史実が否定されている。アパグループは17日夕方、「客室から書籍の撤去は行わない」との態度を表明、日本を訪れる数多くの外国人観光客から激しい怒りを買うこととなった。
冬季アジア大会組織委員会広報担当の戸島宏二氏は、記者からの電話取材に対し、次の通り話した。
「現時点での大会開催中の宿泊手配計画によると、中国・韓国代表団のメンバーの一部が札幌アパホテルに投宿する予定となっている。今回の問題が明るみに出た後、組織委員会は、『平和の促進を図るスポーツの理念に基づく大会』ということを考慮し、アパホテル側に対して『客室内の書籍を撤去する』という配慮を求めた。だが、先方から回答は得られていない」。
「もしアパホテルが書籍の撤去に応じない場合、組織委員会がどのような対応をするかについてはまだ決まっていない。だが、今のところ指定ホテルを変える予定はない」。
戸島氏は、アパホテルから回答があれば、すぐに記者に連絡すると約束してくれた。記者は札幌アパホテルにも取材したが、従業員は、「詳しい事情は分からない。担当者が不在のため、これ以上のコメントはできない」と答えた。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年1月20日
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