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中国はいつWTOに加盟できるか
朱鎔基総理は、九日間にわたる訪米期間中、ロサンゼルスでは大雨、ワシントンでは輝く太陽、シカゴでは大風といったさまざまな天候に遭遇したが、それでも中国の今年じゅうの世界貿易機関(WTO)加盟支持という約束を取り付けたという予期した通りの成果を挙げた。
四月六日、ロサンゼルスに到着した時、朱鎔基総理を迎えたのは大雨だった。これは出発前にアメリカ国内に現れた中国に対し友好的でないという政治の動きを表しているかのようであった。
朱鎔基総理の訪米前には、アメリカのいたるところは反中国という雰囲気に包まれていた。アメリカのマスメディアも盛んに反中国のPRをした。
しかし、朱総理はこのような情勢を「中米友好協力関係という大河の中の小さなエピソードにすぎない」とし、「やがて暗雲が消え去り、太陽の光がさん然と降り注ぐだろう」と固く信じていた。
二番目の訪問地であるワシントンに到着した際、朱総理を迎えたのはさん然と輝く太陽の光だった。これは朱総理の今回の訪米の困難に満ちたスケジュールにとってはいい兆しであった。
確かにその通りで、朱総理がワシントンを離れる前に、中国のWTO加盟についての中米両国の交渉は突破的な進展を遂げた。WTO交渉は朱総理の今回の訪米の主な任務であるが、なんの成果もあげられないだろうと外国の多くのマスメディアは予測した。
四月十日、朱総理とクリントン大統領は中国のWTO加盟に関する共同声明を発表した。共同声明は、中米双方はこの問題について実質的な進展をとげ、「アメリカは中華人民共和国の一九九九年のWTO加盟を確固として揺るぎなく支持する」と述べている。
朱総理の訪問によって中国のWTO加盟交渉のテンポが速くなったのは明らかである。
情勢の変化
共同声明が発表される前に、両国は農産物協定に調印した。同協定は中国のWTO加盟交渉一括取り決めを構成する重要な部分である。
朱総理の訪米に随行した石広生中国対外貿易経済合作部部長の話では、この合意に達するのは並大抵なことではない。朱総理の訪米期間中、双方は中国のWTO加盟の関係問題について「はりつめた協議」を行ったが、農産物問題について合意に達する前に、双方はまる一晩も交渉を行った。同協定は中国代表団がワシントンからデンバーに向う一分前に調印されたものである。
中国は一九八六年に関税貿易一般協定(ガット)締約国の地位回復を正式に申請したが、その後に始まったガット復帰およびWTO加盟に関する交渉は長い間続いた。朱総理は「交渉は十三年も続き、黒い髪も白くなった」と語った。
訪米期間のある記者会見で、朱総理は、現在、この問題についての中米間の食い違いが小さくなったと述べた。ウィリアム・デーリー商務長官も「十三年間の交渉を経て、九五%の問題が解決された」ことを認めた。
しかし、朱総理の訪米期間に両国が最終的合意に達せられなかったのはなぜか。外国の報道によると、中米間では、すべての問題はほとんど解決を見たが、大切な条件が一つだけ欠けているという。デーリー商務長官は「これはいつ調印するかの問題にすぎない」と解釈したが、朱総理は「これはアメリカの政治の動きにかかっている」と一言で喝破した。
朱総理の訪米前に、アメリカの反中国の空気がたえずエスカレートし、マスメディアも「中国の米核弾頭技術スパイ疑惑」や「政治献金」などの事件をでっちあげて喧伝した。米連邦議会の一部議員はホワイトハウスに書簡を送り、「中米関係をアメリカの利益より優先させないように」とクリントン大統領に釘をさした。これらすべては、中国にさらに多く譲歩させて、より大きな利益を手に入れることにそのねらいがある。圧力をかけられたクリントン大統領は、中国のWTO加盟に同意するにはまず国会の同意を得なければならないと暗示した。そのため、交渉がすでに九五%完成したにもかかわらず、クリントン大統領はやはり最終協定の調印を先に延ばした。
朱総理の今回の訪問は、この局面を転換させたようである。訪米期間中、朱総理は共和、民主両党の国会議員、地方官員、商業界の人びと、科学者、教育界の人びと、報道界および一般のアメリカ人を含めて、各界の人びとと幅広く接触、交流し、貿易赤字などさまざまな問題について、辛抱強く、説得力をもって解釈し、こうして相互理解を深め、誤解を取り除いた。
このほか、朱総理はロサンゼルスに到着した際、中国はアメリカ七州の小麦とかんきつ類の輸入に同意すると発表した。この七州の有権者はほとんど共和党の候補者に一票を投じるという。総選挙がまもなく行われるが、共和党にせよ民主党にせよ、農民の票を失うような危険を冒すことはないはずである。
クリントン大統領が交渉を速めるよう米側の代表に指示した結果、農産物協定の調印が促された。朱総理がアメリカを離れる前に、クリントン大統領は電話で、四月末北京で残った問題について引き続き交渉することを朱総理に提案し、朱総理はそれに同意した。地元のマスメディアによると、これはホワイトハウスがこの時機を失えば、中国が市場開放という約束を反故にするかもしれないと心配していることを示している。
一部の国会議員はクリントン大統領が朱鎔基総理の訪問期間に合意に達せなかったことを批判し、商業界の団体も早く中国と合意に達するようクリントン大統領を促した。
今度はクリントン大統領に、中国のWTO加盟実現を速める問題の上で圧力を感じる番が回ってきた。外国の報道によると、このような情勢の変化は、訪米期間にこの問題について合意に達することよりも大きな影響を及ぼすという。
互恵
中国がWTOの一員となれば、アメリカと世界の長期の利益は最大のメリットを得られる。この考え方はアメリカでは共通の認識となっている。
訪米期間中、朱鎔基総理は何回もアメリカの公衆に、中国のWTO加盟は中国だけが受益国となるのではなく、各方面にとっても有利であり、そのうちアメリカはより多くの利益を得られるだろうと語った。
アメリカの実業界は実際にはすでにそのように感じている。ここ数年、中米両国の貿易赤字が絶えず大きくなっているにもかかわらず、アメリカ企業の対中輸出額はたえず増えている。米商務省の資料がはっきり示しているように、昨年中国の世界各地からの輸入が減少する状況の下で、アメリカ企業の対中輸出額は一〇%以上も増えた。一九九〇年から一九九八年までアメリカ企業の対中の輸出は年平均一五%の割で増えた。中国はアメリカの輸出が最も速く増加する十大市場の一つとなった。
アメリカの対中輸出品のほとんどは航空機、コンピューターなど高付加価値製品である。このような企業で働く労働者は平均水準を上回る賃金をもらっている。
バーシェフスキー米通商代表も、中国のWTO加盟がアメリカの輸出拡大に役立ち、アメリカの労働者に失業をもたらすのではなく、彼らのためになることを認めている。
米上院財政委員会で、氏は「協定の調印がアメリカの労働者と企業にいかなる危害ももたらさないばかりか、逆に対中輸出品を生産するアメリカの企業と労働者にきわめて大きなメリットをもたらすと信じている」と語った。
朱総理は、WTO加盟は中国の経済に衝撃を与えるが、長い目で見れば、中国にとって有利であることを認めている。WTOに加盟すれば、中国は国際経済の舞台に進出して、これまで中国経済の発展を妨げていた若干の障害を取り除き、中国に国際経済競争の中で平等な扱いを受けさせることができる。また、
中国の経済体制の国際とのリンケージを速めて、国内企業の改革を促すこともできる。朱総理は、二十年間の改革・開放であげた成果によって、中国企業がかならずこの衝撃に耐えられると固く信じ、「これらの衝撃で生じる競争は中国経済の快速で健全な発展を促すのに役立つ」と語った。
譲歩の余地がまだあるか
中国のWTO加盟問題をめぐる中米双方の食い違いを小さくするため、中国はすでに各方面で、とくに農産物問題の上で大きな譲歩をした。
朱総理は「中国はWTOに加盟し、国際社会と打ち融けようとするなら、関係あるルールに基づいて事を運ばなければならず、譲歩しなければならない」と語った。
しかし、物事には限度というものがある。アメリカ側の法外な要求について、朱総理は「要求が分に過ぎ、速すぎるなら、最終的に何も得られない」と述べ、さらに「世界にはアメリカしかないわけではない。ほかに欧州やその他の国もある」と警告した。
中国の一部のエコノミストは、中米交渉で双方が一致同意した条件は中国が欧州連合(EU)およびその他一部諸国との交渉の基準となり、これまで長期間の交渉の中で大きな譲歩をし、すでに切り札を出したので、これ以上譲歩することはないだろうと見ている。
多国間協力
朱総理の訪米期間中、両国は「中米農業協力協定」および税関協力、航空運輸など一連の協定に調印した。
朱総理とゴア副大統領は中米環境と発展フォーラム第二回会議を共同で主宰し、両国は環境保全、エネルギーなどの面の協力意向書にも調印した。
それと同時に、双方は両国のその他の分野にも協力の大きな潜在力があることで意見の一致を見た。
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