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99年の米国人権記録
 
脅かされる市民的、政治的権利
経済的、社会的権利の状況は深刻
容易に解決されない人種差別
侵害を受ける婦女子の権利
他国の人権を横暴に侵害
中国人権発展の50年
「人権は主権を上回る」という主張に反論
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二、経済的、社会的権利の状況は深刻

 アメリカは現時点では世界の先進国のトップであり、その経済はすでに九年連続で成長を続けてはいるが、二極化が激しく、そのため労働者大衆の経済的、社会的権利の状況にはかなり厳しいものがある。

 アメリカ社会は貧富の差が大きく、イギリスの週刊誌『エコノミスト』の一九九八年十月三日付の文章によると、アメリカの家庭総数の五分の一に相当する最も裕福な階層がアメリカの総収入の半分を占めている一方で、同じく家庭総数の五分の一に当たる貧困層の総収入が占める比率は四%にも達していないという。アメリカの予算と政策優先研究センターが昨年九月に発表した「広がる収入格差」という題のレポートは、最も裕福な二百七十万のアメリカ人の収入は最貧困層の一億人分の収入に相当することを明らかにした。一九九八年だけでも、収入の最も多い人びとと最も少ない人びととでは、インターネット加入における差は二九%も広がった(注12)。アメリカ経済政策研究所と予算・政策優先研究センターが今年一月十八日に共同で発表した「二極化:各州の収入状況の分析」というレポートによると、九〇年代末にはアメリカの家庭の五分の一の裕福者層の平均年収は十三万七千五百ドルで、最貧困層の五分の一の家庭の平均年収の一万三千ドルの十倍であるという。首都ワシントンの貧富の収入差は最も大きく、二十七倍に達した。四十六の州では最も裕福な五分の一の家庭と最も貧しい五分の一の家庭の間の収入の隔たりは、二十年前を上回っている。過去十年の間の収入が最も高いレベルにある五分の一のアメリカの家庭の平均年収は八〇年代末に比べて一五%増えているのに対し、収入が最も低いレベルにある五分の一の家庭の平均年収は一%増えただけで、税引き後の手取りは過去二十年で実質上は少なくなった。なぜなら過去二十年の間に、最低賃金と中間賃金は下がりこそすれ一貫して増えることはなく、最近になって若干上がっただけであるのに、報酬が最も多い労働者の給与は 「大幅に」増えたからである(注13)。昨年八月三十日付の『ワシントン・ポスト』紙で発表されたある研究レポートでは、アメリカ企業のトップにいる社長と従業員の平均給与額の差は九〇年代には極端なほどに拡大し、その比例は一九八〇年の四十二対一から九八年の四百十九対一にまで広がった。一九九八年における大企業のトップの役員の平均年収は一千六十万ドルで、九〇年の百八十万ドルに対し六倍に跳ね上がっている(注14)。

 労働者の権利はゆゆしく侵害されており、『シカゴ・トリビューン』紙の昨年九月六日付の報道によると、過去二十年の間にほとんどの労働者の賃金はいくらか下がり、その一方で労働時間は以前に比べて長くなっているという。国際労働機関(ILO)が昨年九月六日に発表したレポートによると、アメリカの労働者の労働時間は工業先進諸国でも最長で、労働者一人当たりの年間勤務時間は一九八〇年より八十三時間長くなり、四%近く増えたことになることが明らかにされた。国際自由労働組合連盟(ICFTU)が昨年七月に発表したレポートでは、アメリカは労働者の権利を「大規模で持続的かつ驚異的に」侵害していると指摘されたが、その中には労働組合を組織する権利の侵害や少年労働者と服役囚を労働力として使っていることも含まれている。アメリカでは約四〇%の七百万人近くの公務員が労使間の団体交渉権を剥奪され、同時に二百万人余りの連邦政府職員が勤務時間あるいは賃金などの問題でストライキをしたり交渉したりすることが禁止されている。民間部門におけるアメリカの労働者はしかるべき保護が得られておらず、民間会社の不法行為を取り締まる法律は往々にして薄弱で何の役にも立っていない。ILOの労働者に関する七項目の労働基準のうち、アメリカが批准したのはわずか一項目のみで、「世界の批准記録のワースト・ワン」と言われている(注15)。アメリカは普遍的な無償医療保険制度を唯一実行していない工業先進国である。米商務部統計局の報告によると、アメリカには全人口の一六・一%に当たる四千三百四十四万八千人が医療保険に加入していないという。また、全米で貧困者全体の三一・六%に当たる千百二十万人の貧困者が医療保険に加入していない。さらに、三〇%のニューヨークの住民は一年間の大部分の日数をいかなる種類の医療保険もなしで過ごしている。

 貧困人口はますます増える一方である。現在アメリカが実施している厳しい支出切り詰めと人びとの暮らしを顧みない経済政策は、多くのアメリカ人の生存を脅かしている。米商務省統計局の報告によると、アメリカでは総人口の一三・三%に相当する三千五百八十万人が極貧の生活をしており、アメリカ人六・五人につき一人の割合で貧困者がいることになる。アメリカのある雑誌が昨年四月十六日に掲載した文章は、アメリカの実際貧困人口は総人口の二二・五%を占める六千万人以上になると計算している。昨年コロンビア大学が発表したある研究レポートは、ニューヨークでは二九%の人の生活が貧困ライン以下で、五%の人の収入が貧困ラインの五分の一にすぎず、七%の人は時々食べるのに十分な金がなく、一七%の人は常に各種費用の支払いが遅延していることを明らかにした(注16)。

 十分に食べられない人とホームレスはますます増えている。アメリカ市長会議が昨年十二月十六日に発表したある調査レポートによると、アメリカの大都市では住宅と食料を緊急に必要としているホームレスは過去最多を記録し、昨年中に緊急食料を申請した人は九八年よりも一八%増え、九二年以来では最高の数になっているという(注17)。また、今年一月二十日に発表されたある研究レポートによると、アメリカでは三千万人余りが十分に食事ができない家庭で生活し、七・二%の家庭が食べ物の保障を得ておらず、一五・二%の家庭の子供が空腹を耐え忍んでいるという(注18)。昨年アメリカの各大都市で臨時宿泊所を申請した人は、九八年より一二%増えた。サンフランシスコには一万四千人近くのホームレスがおり、少なくとも百六十九人の浮浪者が、寒さ、麻薬の吸引、病気、暴力などによってサンフランシスコの路上で命を落とした。寝ているところを放火されて浮浪者が焼死するといった事件が何度も発生した後、一九九四年にニューヨークで行われたある研究によって、八〇%のホームレスが暴力犯罪の対象になっているという事実が判明した(注19)。さらに、昨年十二月に発表されたある研究レポートは、調査対象となったホームレスのうち六六%がひどい慢性病を患っており、そのうち三分の一が子供を持つ人、四分の一が子供で、三分の一が退役軍人であり、四九%の人が治療を必要とする精神病にかかっていたと述べた(注20)。

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