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99年の米国人権記録
 
脅かされる市民的、政治的権利
経済的、社会的権利の状況は深刻
容易に解決されない人種差別
侵害を受ける婦女子の権利
他国の人権を横暴に侵害
中国人権発展の50年
「人権は主権を上回る」という主張に反論
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四、侵害を受ける婦女子の権利

 性差別はアメリカ社会の不治の病である。列国議会同盟(IPU)が今年一月に発表したレポートによると、米連邦議会議員の中で女性が占める割合はわずか一二・九%である。国家婦人・警官センターのある最新レポートは、一九九〇年から九七年までの間に全国の司法関係機関における女性の比率は三・二%増えただけであることを明らかにした。調査対象となった百七十六の警察機構のうち、三分の一の機構で上級警察官に任命された女性は一人もおらず、四分の三の機構で上級警察官に任命された少数民族の女性はいなかった(注28 )。ロイター通信の昨年七月十四日付の報道によると、アメリカの労働力の四五%前後を女性が占めているが、その平均収入は男性の七五%にすぎず、中でも黒人女性は男性の六五%、スペイン語系各民族の女性は男性の五七%のみである。大学教育を受けた女性の給与も男性の給料の七六%でしかない。建築業の男性従業員の年収は二万八千三百ドルであるのに対し、女性の年収は二万千二百九十九ドルにすぎない。

 アメリカでは女性の労働に対する保護と社会保障が極めて劣悪である。一九九八年二月に国際労働組合連盟(IFTU)が発表した世界の百五十二カ国における妊婦の労働保護に関するレポートでは、アメリカの女性には三カ月の産休が無給で与えられるのみで、勤務中の授乳時間はなく、仕事を持っている母親のうちの四〇%が医療保険に加入していないことが明らかになった。ロイター通信の昨年九月二十一日付報道によると、一九六〇年以来アメリカの女性の結婚率は三分の一以上も下がった。一九六〇年には十五歳以上の独身女性千人のうち七十三人が結婚したが、九六年にこの数字は千人中四十九人のみとなった。シカゴ大学のある調査レポートによると、アメリカで子供を持つ既婚夫婦で構成される家庭が占めるパーセンテージは七〇年代初期の四五%から九八年には二六%に下がった (注29)。母子家庭が次第に増えて、生活はますます苦しくなっている。米予算と政策優先センターのある研究レポートは、一九九五年から九七年までの間に、母子家庭で最貧困層の五分の一の家庭の平均収入(経済情況によって支給された生活手当を含む)は七%近く減少し、約二百万世帯の六百万人がその影響を受けていることを明らかにした。そのうち最も貧しい一〇%の母子家庭の収入は一五%近くも減った(注30)。

 女性は深刻な家庭内暴力の主な被害者でもある。米司法省の推定によると、アメリカでは毎年少なくとも四百二十万件の家庭内暴力犯罪の訴訟事件が発生しており、そのうち九五%の被害者は女性である。一九九二年から九七年までの間におけるアメリカの軍人の家庭の暴力事件は普通の家庭より五倍以上も多く、軍人の配偶者である五万人が家庭内暴力の被害者となった。ますますエスカレートする家庭内暴力は、アメリカの女性の健康と生活の安全に最も影響する大きな要素となっている。

 アメリカの女性の服役囚の人権は、ゆゆしく侵害されている。昨年三月にアムネスティー・インターナショナルが発表したあるレポートによると、一九九七年にはアメリカの各刑務所に十三万八千人の女性が収監されており、八五年より四倍に増えている。刑務官たちは所持品を調べるための身体検査を口実に常に女子受刑者に対してセクハラ行為をし、女性の服役囚が性的暴行を受けるのは日常茶飯事である。アメリカの連邦A級女子刑務所および矯正施設の刑務官や矯正職員のうち、男性は七〇%を占めている。また、刑務所で女子受刑者に接する人のうち四一%が男性で、このことは国連の関連規定に違反している。アメリカの十一の州の刑務所を対象に行った調査では、女子受刑者のほとんどがセクハラや暴行の恐怖を体験した経験があることが判明した。何人かの刑務官が自ら性的暴行やその他のセクハラ行為をしたことがあるばかりでなく、金銭あるいはその他の利益との交換によって男子受刑者に女子刑務所に入って性欲を満たすことを許している。女子受刑者たちは何度も関連部門に刑務官の暴行を訴えたが、どこの刑務所でも救済・調査手続きは役割を果たすことができずにいる。一九九八年に行われたある調査は、九七年から九八年までの間にアメリカで二千二百人の妊婦が刑務所に収監され、千三百人の子供が刑務所内で出生したことを明らかにした。少なくとも四十の州の刑務所で妊娠している受刑者が出産する際、手足はすべて鎖でつながれ、手錠と足かせを身に付けさせられるといった状況で、出産時の体の自由が奪われ、しばしば母子ともに生命の危険にさらされている。女子受刑者の子供は生まれるとすぐに母親から引き離され、母親と顔を合わせることはできない。アメリカの多くの刑務所には医師と看護婦が常駐しておらず、ある女子受刑者は数カ月も待って、ようやく医師の診察を受けることができた(注31)。

 アメリカの少年の状況には憂慮すべきものがある。アメリカは世界でも少数の、少年犯罪に死刑を適用している数カ国のうちの一つで、青少年に死刑の判決を下すことが最も多い国である。一九九四年以来、アメリカでは少年法を修正した州が四十三あり、国連の関連規定に違反して未成年者の犯罪に対して成人の犯罪と同様の刑罰で対処し、そのうちの半分の州は従来の「刑事処分対象の最低年齢」の制限を撤廃した。テキサス州議会は新しい法律の制定に着手し、死刑を適用できる年齢を十一歳に引き下げる準備さえしており、ミシガン州では自宅の隣に住む住民を射殺した十一歳の少年に無期懲役の判決を下すという事例があった。一九九七年にはアメリカで、三百二十万人の児童が虐待され、無視された。一九九五年のデータによると、インディアンの子供では三十人に一人が虐待を受けたが、全国の平均的比率は五十八人につき一人となっている。一九九二年から九五年までの間に、インディアンの子供が無視され虐待された割合は一八%に上昇した(注32)。AP通信の昨年十一月二十九日の報道によると、アメリカの一千四百五十万人の児童のうちのほぼ五人に一人が貧困の中で生活しているという。一九九八年の時点では一千百十万人の十八歳未満の少年が医療保険に加入していない。また、毎年三百万人の青少年がHIVに感染したりエイズが発病し、その他の性病を感染している。現在のアメリカ家庭では、十二歳および十二歳以下の人口の六・四%が不法に麻薬を使用している。伝統的な家族のスタイルが減少するにつれ、父親のみあるいは母親のみと一緒に暮らしている子供のパーセンテージは一八・二%にまで上昇し、一九九八年におけるアメリカの大学の新入生の三分の一は母(父)子家庭で育った子供たちであった。

 アメリカでは、少年労働者雇用現象が深刻な問題となっている。ロイター通信は昨年七月十四日付で、一九九七年末におけるアメリカ連邦政府のデータ資料に基づくある研究によると、二十九万人の少年労働者が不法に雇用され、そのうち一万四千人は年齢が十四歳にも至らず、何人かの少年労働者はまだ九歳にさえ達していないことが判明したと報道した。多くの少年労働者の両親は新しい移民で、農・畜産業と園芸に従事している。これらの子供のうち、毎年四百人ないし六百人が事故によって死傷している。

 少年はアメリカの暴力文化の主な被害者である。アメリカの子供が見ているテレビ番組には、一時間につき約二十カットの暴力シーンが登場する。AP通信の昨年六月一日の報道によると、アメリカの子供は十八歳になるまでに、平均して四万人の演技上の殺人者と二十万回のドラマ化された暴力シーンを見て育つということが、三十年にわたる研究によって判明したという。世界の娯楽業の覇者と称されるハリウッドのここ五年間の映画とテレビ製品による収益のうち六割前後の収入源が、テーマが暴力やセックスと関係がある作品によるものである。多くの少年の犯罪者は、映画やテレビおよびテレビゲームを通じて銃による殺人を覚えた。昨年のFBIの報告は、一九七〇年の時点では暴力による犯罪で警察に逮捕された青少年は十万人につき百四十一人であったが、九七年になるとこの割合は二百六十八人に増え、二十七年間で暴力による犯罪で逮捕された若者の犯罪者は八五%増えたと伝えた(注33)。米司法省が昨年六月に発表したレポートでは、あらゆる銃と関係する殺人事件のうち四分の一近くが十八歳から二十歳までの青少年によるものであり、犯人たちは皆ごく普通の学生である。昨年七月二十一日、ジミー・カーター、ジェラルド・フォード両元米大統領は五十六人の社会的名声のある人たちとともにハリウッドに向かい、「好ましくない文化の弊害を抑えて、アメリカの子供たちを救え」と呼びかけた。

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