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中国WTO加盟

 
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専門家インタビュー
関係業界への影響

中国のWTO加盟が関連業界に与える影響

WTO加盟後の4大課題

「WTO加盟」、今年の国内商品の全体的な価格レベルに影響せず

 WTO加盟は、21世紀における中国経済の発展にとって、更に安定的な基礎を打ち立てるものであり、総体的かつ長期的に見て、中国にとって有利なことである。

GDP、プラス2千億元の効果

 WTO加盟後中国は、最恵国待遇問題について毎年アメリカの非難を受ける必要がなくなり、多角的かつ恒久的な最恵国待遇を享受できる。

 WTO加盟は、中国が平等な条件の下で国際競争に参加するのに有益であり、また市場経済の発展および資源の合理的配置に有利である。

専門家の試算によると、中国のGDPは、WTO加盟により2.94%増加すると見込まれている。即ちGDPは2千億元以上増加し、また数百万人に就労機会を与えることになる。

紡績品の市場シェア、増加を期待

 WTO加盟後、主要貿易大国が中国に対し実行している様々な差別的貿易政策は取り消される。例えば、紡績品を輸入している先進諸国は、紡績品輸入における割当額を取り消す合意を1995年以降、逐次実施に移している。しかし中国から輸入している紡績品については、割当額制限を依然として増加させているばかりではなく、割当額協定の締結を引続き中国に要求し、中国からの紡績品の輸入を減少させている。

 WTOでは2005年までに紡績品の割当額を段階的に取消すことが規定されており、WTO加盟後、アメリカやその他の先進国が行なっている、中国産紡績品に対する輸入制限などの差別的な割当額は取消される。

 紡績品、衣類、靴、帽子は、中国の伝統的輸出商品であり、輸出量全体の約20%を占めている。WTO加盟は、中国の紡績業およびファッション業が、安定的な貿易環境を獲得するのに役立つものであり、また紡績・衣類生産企業の発展を促すであろう。

 2005年以降、中国の紡績品輸出は現在と比べ市場シェアを10%拡大でき、紡績品、衣類、靴、帽子の輸出額は50億米ドル増加すると予想されている。

 また、WTO加盟は、一部の化学工業製品および鉄鋼製品にとって利益をもたらすものであり、またある程度の規模と成熟した技術を持つカラーテレビ、洗濯機、扇風機、自転車、おもちゃ、文房具、缶詰食品などの業界や一部の機械電気製品にとっても有利である。

中国の麦農業、55億元の損失

 「中米両国農業協力合意」により、中国はアメリカ西北部各州産の小麦の輸入を許可しないという30年続けて実施してきた禁止事項を解除し、またアメリカ産牛肉とオレンジの輸入に関する禁止も解除される。現在45%に設定されている農産物の関税は、2004年までに10〜20%まで低下、2004年には農産物の平均関税は17%となり、また重点農産物の関税は14.5%に下げられる。

 農産物市場の一層の開放と海外産の農産物の輸入により、中国の農業製品の市場の一部は衝撃を受けることになり、中国の農民の収入はある程度の圧力に晒される。小麦を例にとると、現在中国は年間約200万トンの小麦をアメリカから輸入しているが、今後の輸入量は年間500万トンに増加すると見込まれる。小麦の輸入が300万トンも増加することによって、中国の麦農業の損失は54億元に達する。小麦の他、アメリカ産トウモロコシ、オレンジ、肉類の輸入により、中国の農産物は市場の一部を失うと予想される。

 また中国の自動車産業は、WTO加盟により最も大きな打撃を受ける分野であると予想される。WTO加盟後、2005年までに、自動車の輸入関税率は現在の80〜100%から25%に低下し、また自動車部品の関税率は平均で10%まで下がる。自動車輸入の割当額も取り消される。これにより、中国市場における外国自動車企業と中国企業との競争は激化される。国際市場における乗用車価格は、国産車価格の1/3〜1/4であり、25%の輸入関税をプラスしたとしても、国産車よりはるかに安価である。更に外国産乗用車は、品質・デザイン、安全性能などの面においても優れている。よって、WTO加盟後、中国の乗用車業界は最も大きな打撃を受けると予想できる。

外資系ハイテク企業に、より良好な投資環境を提供

 ハイテク産業は、中国において発展が最も速い業界であり、今後15年間、年間20〜40%のスピードで成長を続けると見込まれている。WTO加盟後、中国政府による国際通信技術協定の実施に伴い、通信関連製品の平均関税は現在の13.3%から0%へと低下する。2005年には、半導体、コンピューター、CPU製品、通信設備など、通信技術製品にかけられていた関税は取り消される。外資系ハイテク企業に対し求められていた、中国市場でのシェア獲得のために、中国へ技術を譲り渡さなければならないという規定および輸出割当額の規定も取り消される。これにより、外資系ハイテク企業の中国における投資環境は一層整い、技術的優勢も更に強められ、アメリカなど先進国の企業は、中国市場において更に大きなマーケット・シェアを獲得することになる。

金融業・化学工業業界などへの影響

 統計によると、金融・保険業を営む外資系企業および機関が中国において設立した営業所は、99年初めまでに191ヵ所にのぼり、総資産額は360億米ドルに達している。WTO加盟後2005年までの間に、中国は外資系銀行に対し、あらゆる分野における銀行サービス業務、人民元業務、外国保険会社による50%の株主権利の保有などを許可する他、外国銀行・外国保険会社が営業できる都市を増加させる。中国がWTOに加盟した後は、中国B株式市場における資金量は更に増加すると見込まれており、またA株式市場の長期的発展にも役立つと予想される。

 化学工業・医薬業界では、中国のWTO加盟後、医薬品の輸入関税はWTOで規定されたレベルまで下げられ、5.5〜6.5%となる。医薬品の輸入も増加が見込まれている。

 木材・製紙業界における輸入関税は、現在の12〜25%から、5〜7%まで下がるものと思われる。 

 化学工業・医薬業界の大手外国企業が研究開発および商品の質において優れているのは明らかである。また木材・製紙業界においても、大手外国企業は資源的に有利な位置にあるため、大手外国企業の進出により中国国内の関連企業は、厳しい競争に直面することになる。

中国WTO加盟は、留学生の帰国ブームを引き起こすか

 中国WTO加盟について中米両国が合意に達する1ヶ月前の1014日、アメリカで法学博士学位を獲得し、ニューヨーク、ニュージャージーのJ.D.弁護士資格を保有する馬江河氏は、アメリカで苦労して経営してきた法律事務所をやめ、8年もの間離れていた故郷・中国へと戻り、北京双城法律事務所の共同出資者となった。

 彼は「帰国の目的は、出きるだけ早く国内の法律サービス市場に進出すること」と語った。家族をアメリカに残してきた馬江河氏は、「想像していたよりも大きい」中国法律サービス市場に引きつけられ、家族より仕事を選んだ。

 また彼は「中国がWTOに加盟した後、私の優勢は非常にはっきりするであろう。まず、アメリカの法律に詳しいこと。私のこの中国人的な顔を見て、アメリカ市場に進出しようとしている中国企業は、自然と親近感を覚えるであろう。同時に中国の法律にも詳しいこと。アメリカでの経験や法律事務所は、中国で商売をしようとするアメリカ人の信頼を得ることができる」と語った。

 数十年間、海外の留学生と国内との橋渡しの役目を務めてきた欧米同窓会の張建生副事務長によると、中米が合意に達してからこの半月の間に、「時空ネットワーク(www.shikong.com)」という欧米同窓会のウェブサイトには、国内の就職情報を問い合わせる海外留学生からのE-mailが明らかに増加している。問い合わせの範囲は、金融、法律、会計、医師、電信、情報技術、娯楽業に集中しているという。

 「帰国するか否かの選択を迫られている留学生の興味は、国内における発展の場所、収入、自己価値実現のチャンスにあり、またそれは海外と比べて大きいかどうかだ」と張副事務長は語った。

 統計によると、197812月、我が国が初めての留学生75名をアメリカへ派遣して以来、出国した留学生の数は30万人を超えており、そのうちの半数は私費留学生である。

 関係専門家によると、かつて「アジアの4匹の小龍」と呼ばれた台湾・香港・シンガポール・韓国における人材流失のピークは1960年代および1970年代に始まったが、これらの国はWTO加盟をきっかけに、関連する政策を積極的に調整し、経済発展と同時に人材の開発と利用のための有利な条件を作ったおかげで、1980年代には、人材流失に歯止がかかる現象が始まった。

 世界貿易機関研究会副会長の張漢林博士の分析によると、WTO加盟は、海外への留学生に対し、帰国を導くための最適なチャンスであると言えるが、労働人事部門が今後数年間の人材供給状況を全体的に把握し、有効的な魅力ある政策を打ち出さなければ、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もある。

 しかし中国のWTO加盟は、「海外軍団」の帰国ブームをもたらす可能性もあると、張博士は楽観的な見解を示した。なぜなら、WTO加盟の日が近づくにつれて、中国は次第に経済メカニズム調整の歩調を加速させるに違いないし、またサービス貿易業、製造業における労働力の素養に対する社会の要求も、更に高くなるからである。WTO加盟後、中国と国際経済を結び付ける分野は絶え間なく拡大され、金融・電信・情報提供・会計・法律・旅行などのサービス業やハイレベルの製造業における人材の需要も年々に増加するであろう。これは中国の国情と国際慣例に詳しく、母国語と外国語に精通する留学生にとって、より多くの発展のチャンスを提供することとなるに違いない。

中国の将来性を見込む日本の産業界

 中国のWTO加盟について、中米両国による交渉がこのほど合意に達したことにより、中国のWTO加盟実現は、それほど遠いことではないと思われる。これについて日本の産業界は、日中両国における経済・貿易協力の更なる強化を後押しするものであると考えており、各企業はそれぞれ中国のWTO加盟を利用し、国内の自動車、通信、金融市場を開放する良い機会とし、中国に対する投資の歩調を加速することを決定している。

 自動車産業界において、現在、アメリカのゼネラル・モーターズ、ドイツのフォルクスワーゲン、日本のホンダなどの大手メーカー8社が、既に中国において自動車を生産している。豊田自動車株式会社は、中国の関係メーカーと合弁で自動車を生産する申請を積極的に行なっている。中国のWTO加盟が間もなく実現するというニュースにより、同社は、中国での投資について自信を深めている。中国で自動車を生産している海外のメーカーは、競争力を高めるために、必ず中国での投資を増加させ、自動車の生産量は拡大されるであろう。2006年までに各メーカーの生産規模は、年間生産台数10万台以上となるであろう。これにより中国製の自動車の質は絶えず向上し、量も大幅に増加、価格もそれに応じて下降するであろう。それ故、中国が自動車の関税を現在の約100%から2006年には25%に下げたとしても、輸入自動車が急速に増加することはないだろう。

 豊田自動車会社は、中国のWTO加盟は、経済発展を促進し、自動車消費は拡大されると考えている。もちろん、自動車の輸入関税を大幅に下げることは、輸入自動車と国産自動車の激しい競争を招き、中国に進出している外資系企業も厳しい試練に晒されるであろう。しかしこれにより、外資系企業による資金および技術の投入は促進され、中国の自動車産業の全体的な技術と生産レベルは向上し、競争力は強まるであろう。

 中国はWTOに加盟してから2年後、中国通信市場への外国資本の進出を許可し、合資比率は50%に達する可能性もある。そのため、日本電信電話株式会社など情報通信の大手企業はそれぞれ、2004年から使用が開始される、次世代携帯電話である携帯テレビ電話を狙っており、中国移動通信市場に進出しようと手ぐすねを引いている。同社はまた、中国の関係部門と協力して移動通信技術の研究開発を行なう計画を立てている。日本第二電信電話会社も、固定式普通電話が未だ十分に発達していない中国において、携帯電話には非常に将来性があり、十分に魅力的な市場であり、極めて良い投資機会があると見込んでいる。日本の郵政省は、ブリティッシュ・テレコムなど欧米の電信企業が、既に中国市場に進出しているのを見て、出きるだけ早く中国市場に進出しなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうと考えており、中国電信市場に進出する関係企業を積極的に支援することを明らかにしている。

 日本の金融界は早くから、未だ発達していない中国の金融市場の将来性を見込んでいる。日本野村証券、大和證券、東京三菱銀行、富士銀行、さくら銀行、日本生命などの金融機関は、10年以上も前から中国人留学生の人材募集を始めており、力を蓄えてきた。中国の金融市場の開放後、これらの人材を中国へと派遣し、各種金融業務を展開しようと考えている。

 繊維紡績品の輸出入は、日中経済貿易協力において最も重要な構成部分の一つである。日本の繊維紡績業界は、中国において多くの加工工場を設立している。毎年中国に向け大量の繊維や衣料品を輸出しており、中国で縫製・加工を行なった後、再び日本へと逆輸入されている。1998年、日本で消費された衣料品などの紡績品のうち34%は、中国から輸入されたものである。中国のWTO加盟は、日本から紡績品・材料を中国へと輸出し、日本の繊維紡績業界による中国での投資を増やし、また中国からの衣料品の輸入を増加せせるのに有利なことであり、繊維紡績業界において両国の更なる協力を促進するに役立つであろう。

 

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