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Vol.9(2008/11/5発行)

【中日交流】

中日両国の歴史観:その相違と解決への道(3)

王和

 王和、安徽省桐城出身、1948年生まれ。1980年に北京師範大学歴史学部先秦史専攻大学院に入学、趙光賢氏に師従する。1983年に卒業、修士学位獲得。同年に中国社会科学アカデミー歴史研究編集部で勤務。

 現在、「歴史研究」と「中国社会科学ダイジェスト」両誌の副編集長を務める。中国社会科学アカデミー古代文明研究センター専門家委員会委員、「中国歴史学年鑑」編集委員、北京師範大学など全国の重点大学6校の兼職教授や客員教授をつとめる。

 1984年から現在まで、「中国社会科学」、「歴史研究」、「中国史研究」、「史学理論研究」、「史学月刊」、「人民日報」、「光明日報」などの新聞・雑誌で論文50本あまりを発表。著作2冊。

問: どうやら、人類の歴史のプロセスは非常に複雑なようだ。

 答: 確かにそのとおりだ。簡単に言えば、人類社会は常に「おそらくこうなるだろう」という考えに基づいて発展しており、「こうなるべきだ」という方向に発展するものではない。また「おそらくこうなるだろう」という諦観は、利益と争いとの間の調整によるのだ。こうした利益と争いとの間の調整の結果が人類社会の発展の方向性を制約し、様々な個人や民族、国家の認識の相違をも決定づけている。

問: こうした相違を縮めるか埋めることはできるのか。

 答: 可能であることは間違いない。少なくとも、相違を縮めることは可能だ。重要なのは我々がどのように行うかということだ。

問: ではこうした相違を縮めるための現実的な解決方法とは何か。

 答: 理性を基礎とし、事実に基づき、大同を求め、小異を残すことだ。

 理性を基礎とするとは、世界の歴史の発展の方向性を見極めることだ。今日のこの時代は既に人間が自分の部族の利益だけを考え、他は一切顧みないという部族時代ではない。今日のような情報化、グローバルな経済一体化が加速し、人類が数百年にわたって生活してきた星が「地球村」と呼ばれる時代では、人類全体の利益がかつてないほど緊密に関連しあい、各国・各民族の違いは依然として長期的に存在するだろうが、一体化の傾向は加速し続け、またこうした傾向は既に逆もどりできるものではない。そのため、資源の浪費や環境汚染といった事のように、既に単純に発生地と発生国だけの事ではなく、人類全体の利益と運命に深く関連しているのだ。こうした変化に伴い、人類全体の概念にも対応した変化が起こっている。中国もそうであり、例えば過去の闘争の強調から今日の調和の強調へ、過去の単極化から多様化、ウィンウィン、歩み寄りの強調へと変化している。これは人類は今日の情況において、次のようなことをますます明確かつ深くに認識するようになっているためだ。友好と協力のみが進路であり、友好せず協力もしないのでは双方を傷つけるだけだということだ。

 そのため事実に基づき、すなわち基本的な共通認識に立った上で事実をはっきりさせる必要がある。日本が近世において中国と東南アジア各国を侵略したのは疑いない事実であり、この点は理性と正義感のある日本人はいずれも認めている。

 現実的に言って、中日両国の歴史認識の相違により生じたマイナスの影響を解決する最も良い方法は、相違を薄めることだ。国家と国家、民族と民族との間の関係は、個人と個人の間の関係と同じく、双方の善意の行為により育む必要がある。例えば、2人の個人の間でかつて不愉快な経緯があって、1人がもう1人をいじめたことがあるとしよう。何年も後にその2人がお互いを必要とし、実際にどちらも離れることができないのに、片方が「あなたは昔私をいじめたから、私はあなたを恨んでいる」と言い、もう片方が「私はあなたをいじめてなどいない。私はあなたを助けたのだ」と言うなら、その結果言えば言うほど膠着状態となり、怒って席を蹴って立ち去り、双方に損害をもたらす。こうした行為は理性的と言えるだろうか。提唱し評価するに足るだろうか。賢者ならこうしたやり方はしないのは明らかだ。

 相違を薄めると同時に、歴史上の不愉快な1ページも薄れさせるべきだ。具体的に言うと、中国の近・現代史における輝かしい1ページであるため、マスメディアや社会的な教育においては抗日戦争は地位を占めるべきだ。当時の歴史的環境の下では、大国が小国を虐げることは免れえなかった。しかし現代にこうした「一貫して虐待された」という歴史を強調し続けることは、憎悪を生む以外に何の意義があるのだろうか。

 そのため、中日両国の関係を処理するには、必ず大局を踏まえなければならない。大局とは何か。つまり中日両国は今日の現実の環境では友好的、「和」でなければならないということだ。和こそ双方の利になるもので、争いはどちらをも損なうものだ。中日両国、特に両国の政治家、学者、文化人、特にメディア業務に携わる文化人は両国の友好に役立つ事を多く行い、両国の友好を損なうことをしないすべきだ。

問: 教授の見方では、中日両国の歴史認識の違いを解決するために、相違を薄れさせ、歴史上の不愉快な1ページを薄れさせる他に、何ができるか。

 答: 簡単だ。中日両国の長期的な友好交流や相互支援、助け合いの歴史を際立たせ、明らかにすることだ。日本への中国の手助けは皆よく知っているだろうが、日本の漢字や制度、文化概念など多くが中国から伝わったもので、多くを語る必要はない。日本が中国を手助けしたのも少なくなく、辛亥革命から現代まで一貫して、日本の友人は多くの中国に有益なことをしてくれている。多くの日本の友人が中日両国と2つの民族の友好実現のために数十年も奮闘し、生涯にわたる精力を注いでおり、この期間に多くの感動的な出来事が起きている。現在の問題は、日本の友好人士が行ってきたこうした業務について、広範な中国人は一般に何も知らない点にある。なぜそうなのか。肝心なのは我々のメディアの報道が少なすぎることだ。そのため、私の個人的な考えでは、中日友好を促進するにはこうした一面的な文芸創作やメディア報道をやめることが目下の急務だろう。

 中日友好、両国政府や両国人民の間の友好は重大で意義深い事業だ。これを本当に成し遂げるには、両国政治家が長期的な見識を持ち、両国の人民が素質と教養を表す必要がある。中日両国はいずれも大国であり、大国の指導者と人民はいずれも、大国としての堂々たる風格を見せる必要がある。

    中日両国の歴史観:その相違と解決への道(1)
    中日両国の歴史観:その相違と解決への道(2)

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