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Vol.9(2008/11/5発行)

【中日交流】

旅を終えて、日中関係改善に向けて私たち若者ができる新たな抱負・夢

明治大学政治経済学部政治学科 大島 翼

 私は鑑真プロジェクトに出願した際の課題作文で「真の友好関係とは生身の人間が互いに交流することによってでしか醸成されないものであると私は考える。」と書いた。この考えは今回の訪中によって確固たるものになった。

 近くて遠い国である中国について我々は様々なメディアを通して知ることが出来る。政治、経済はたまた歴史問題を含めて中国関連のニュースがマスメディアで報じられない日は皆無であるし、我々が日々生活する上で中国製品を排除することは不可能に近い。このように日常的に中国という国に接しているにも関わらず我々の中国観は未だに「自転車、パンダ、共産主義」といったステレオタイプの域を脱していないのではないだろうか。「経済発展、貧富の差、公害問題」などのキーワードを知っている日本人は多いものの、情報源がマスメディアであるため大きな問題に目が向きがちである。また、インターネットの掲示板を覗けば中国や中国人を嫌う書き込みが数えきれない程書き込まれており、ネット

 右翼や嫌中といった言葉まで現れてきている。

 これらの問題の根底は実際に中国人と話をした事のある人、中国を訪れたことのある人が少ないことにあると私は考える。中国青少年基金会の調査資料が示すところでは、対象者のわずか0.6%の人しか日本に行ったことがない。家族の中で行ったことある人は6.4%、本人または家族共に行ったことない人が91.9%にも達している。この資料から中国人の大多数がテレビ、インターネットその他の媒体によって日本に関する情報を得ており、日本理解も憶測によるものが多いと考えられる。このデータは中国のものであるが、情報源がメディアに偏重しているのは日本も同じである。マスメディアもビジネスとして報道を行っているのだからセンセーショナルな出来事を報じなければ商売が成り立たない。もちろん、冷静かつ客観的な報道をしていることも少なくないが、我々の印象には残りづらい。

 我々受け手がセンセーショナルな報道がされがちであるということを理解し冷静に判断することが求められるが、現状ではそうなっていない。

 今回の訪中で多くの中国人学生と交流したが彼等の多くもまた日本を訪れたことがなかった。そして、彼等の口から発せられる日本像も「経済大国、サラリーマン文化、歴史問題」といったキーワードによるものが多かった。確かに日本にはそういった面もあるが、普段の生活において我々の関心事は芸能人の動向、身の回りの生活環境や知人の事である事の方が多い。むしろ、友人同士で歴史問題や経済の事を話すことのほうが稀である。これは中国人にも当てはまると考えられる。なぜなら同行した中国の留学生との会話の多くは自分の友人のことや好きな歌手の話、身の回りで起こった話などが主であった。そして、そこには国籍の違いは関係なく、同じ大学生である若者の共通の感覚を感じることが出来た。国は違えども、同じ人間であるということを再認識した。初めは互いに壁を感じることもあるかもしれないが少しずつそれを取り除くことで,互いに腹を割って話すことも出来るようになると考える。実際に今回同行した留学生と歴史問題について触れる機会があったが、こういった話ができるようになったのも両者の信頼があってこそである。今後多くの人が、ひとりの人間として交流し、互いに地道に信頼関係を築いていく事で両国の関係改善に向けて前進する結果につながると考える。

 帰国後も交流で得た友とインターネット上で交流を続けている。技術の発展で世界が狭くなった今、相手の顔を見たことがなくともインターネットを使えば交流をできるが、実際に声を交わし肌のぬくもりを感じた彼らとの友情はこれからも続いていくだろう。次に彼等と会うときに少しでも成長した姿を見せられるよう勉学に励み、日本についての知識も増やしていくつもりだ。

 現在、大学3年生の私は就職活動を行っているが、今回の旅を通し中国と関わる企業を志望する決意を新たにした。私ひとりの力は小さいかもしれないが、これからの人生を通し、ひとりでも多くの中国人と友人になりたい。自分の行動で両国の関係が改善する一助になりたいという出発前の気持ちは今も変わっていない。今回の旅を楽しかった思い出で終わらせる事無く、これからも努力を重ねていきたい。

 明天会更好。

 我們永遠是朋友。

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