今年も終わりに近づいている。2008年に流行した用語を見ると、この1年の進歩や変化、喜びや苦悩、ユーモアや自嘲が込められていることに気がつくだろう。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
▽大雪害
2008年の年初に中国南部を襲った大雪は、史上記録となるほどの猛威を振るった。この大雪害自体はすでに過ぎ去ったが、私たちは数々の自然災害あるいは人為的災害に如何に立ち向かうべきか?万一に備え、対策のとれた安全な生活を送るには如何にすべきか?といった今後の対策や努力は今も続けられている。
▽ブン川
2008年5月12日の四川大地震以降、震源地である「ブン川」という地名は、四川省にある県名の中でも忘れえぬ一県になっただけでなく、永久に消せない辛く悲しい記憶を呼び覚ますものとなった。災害を前に中国人民が心を1つにして、救援活動を行ったことや、「私たちはみなブン川人だ」というスローガンは、廃墟の中で不屈の精神となった。
▽北京オリンピック
中国は、スポーツの最高の祭典であるオリンピックで、西洋文明と東洋文明の融合を果たし、改革開放30年以来の、開放的な、自信に溢れた、包容的で友好的な大国のイメージを、世界にアピールした。北京オリンピックにより生まれた流行語は非常に多く、例えば「北京はあなたを歓迎します」「一つの世界、一つの夢」「You and Me」などがある。これらの用語を挙げれば、あの忘れがたい熱気に満ちた8月が人々の胸によみがえってくるだろう。
▽ボランティア
2008年は、中国の一般市民のボランティア精神が一気に爆発した1年となった。「ボランティア」は数千万人の新たな社会的身分となった。特に自己中心的で責任感に欠けると評されていた青年たちが競ってボランティアに応募した。彼らの責任感や国民精神には目を見張るものがあった。
▽メラミン
この聞きなれない化学物質は一夜の間に中国全土を駆け巡り、中国食品市場に大きな波紋を投げかけた。深刻な代償が支払われ、食の安全への警笛が鳴らされようとしている。
▽医療改革
新医療改革方案が今年ようやく公開され、世間の注目を浴びている。「治療費の負担軽減」を願う国民に応えるために、中国の医療改革は要のときを迎えている。
▽原油価格
この1年、国民経済に大きく影響する原油価格が大幅に高騰、そして下落した。国際原油価格は、過去最高値と比べ、1年の間に6ー7割も下落した。誰もが、原油価格の今後の予想に見通しがつかないでいる。
▽神舟7号
宇宙飛行士のテキ志剛による中国初、世界でも3番目の船外活動(宇宙遊泳)が行われ、中国航空宇宙科学技術の進展が世界に周知されることになった。また月周回衛星「嫦娥」により、中国人の夜空を見上げる回数も増えそうだ。
▽金融危機
経済のグローバル化の中で、孤高を保てる人はいない。米国発の金融危機は世界中を巻き込んでいる。今のこの危機に如何に立ち向かうかが、企業の実力と政府の腕の見せ所となっている。実体経済は今後もっと多くの「目に見えない」敵に立ち向かうことになるだろう。
▽市場救済
中国政府は2008年、株式市場や不動産市場などの救済を絶え間なく行ってきた。それを支持する声もあれば、反対の声もある。「市場救済」という流行語は中国だけでなく、米国でも2008年度流行語のトップに上げられた用語だ。
▽問責
メディアは昨年、「問責風暴」(責任追及の嵐が吹く)という表現で、新たに誕生した問責制度を形容している。今年、重大な公共事件に端を発した官僚の辞職や免職は、当然のようにみなされるようになった。国民の利益に大きな損失を与える事件に対し、関連する官僚の責任を問い、処罰を下さなければならない。この1年、「問責」は慣例の用語となった。
▽虎照門
ある農民が撮った華南トラの偽写真を巡る「虎照門事件」は今でも決着がつかないでいる。この事件は当事者が法的な制裁を受けたことで終末を迎えたが、その争議は今も収まらず、政府の信頼性に関する話題が今も取り沙汰されている。
▽艶照門
香港のスター女優のわいせつ写真が悪質にもネット上でばら撒かれ、話題になった。ネットの影響力は私たちの想像をはるかに超えている。健康的かつ文明的なネット環境を築く道のりはまだまだ遠いようだ。
▽腸腰筋
今年も負けっぱなしの中国サッカーチームに、多くの笑い話のネタができた。中国サッカー協会の謝亜竜副会長の「腸腰筋」発言もそのうちの一つだ。中国サッカーの敗北に誰かが責任をとるべきで、その責任を、選手すら聞いたことも無い筋肉になすりつけてはならない。
▽山寨(海賊版)
「山寨」という言葉には、娯楽や創意に関連する意味が含まれているが、ほとんどが、「ニセモノ」「模造品」「海賊版」などを形容する言葉として使われている。「山寨」の是非に関する論争は非常に多い。
▽雷人
人が話す内容に驚いたり理解できなかったりすることをいう。現代用語の「めまいがしそう」「返す言葉がない」といった意味と類似している。「雷に打たれた」「雷人」(びっくりした、の意)は、間違いなく2008年ネット用語のうち使用頻度の最も高い新語の一つだろう。
※ブン川のブンはさんずいに「文」。
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