Vol.15(2009/2/05発行)
【特集】
2009年--懸念の中国
中国にとって、ひいては日本や韓国を含むアジア各国にとって、2009年は希望と心配、可能性と恐れに満ちた複雑な年となるだろう。世界はアジアに注目し、アジアは中国を見ており、中国はヒッチコックのサスペンス小説の主人公のように、無限の魅力にあふれると同時に、危機も多く存在している。世界の全ての経済学者が「後の祭り」となり、世界の全ての経済理論と権威的な観点がお茶の間のジョークの的になるような時期に、経済危機が地球と全人類を人質として深淵に連れ込もうとする現在、我々は正確に楽観的あるいは悲観的な予測を出す能力を失っているといえるだろう。我々が自身の短所と微力さを再度認識したなら、2009年は畏敬の念で迎えるしかないだろう。いくつかの懸念は我々の未来の幸福な生活と密接に関係するため、人々の手に汗握らせることとなるだろう。
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中国経済の成長と変化への対応
先進国経済の低迷は全治3年以上
米国のサブプライムローン(信用力の低い低所得者向け住宅融資)問題に端を発した世界経済を覆う金融危機は、解決の見通しがつかない状況で2008年末を迎えようとしている。……

日本企業の中期的な施策と新興国への取り組み
このような経済環境下において、日本企業はどのように対応すべきだろうか。まずは2009年3月期決算をどう乗り切るかが焦点となるであろうが、同時に来期以後を見据えて中期的な施策の検討が大切である。逆風のときにむやみに前進しようとすれば体力。……
中国市場の主役は「地方都市」
さて、新興国としてよくBRICSという言葉が使われるが、ここでいうブラジル、ロシア、インド、中国の年間世帯可処分所得1万ドル以上の世帯数を見ると、2008年は4カ国合計で1億5000万世帯(野村総合研究所<NRI>推定)、このうち45%に相当する約6700万世帯が中国でしめられている。……
中国市場に向けた戦略の再検討
地方の中流世帯の市場で成功するには、今までの中国市場での戦略を「改良」する必要がある。すべてを変える必要はなく、日本企業ならではの強みである製品やサービスの品質を落とすことはあってならない。しかし、中流世帯の市場では消費者ニーズが未分化なところもあるため、機能やデザインはできるだけシンプルにして原価を下げる工夫をすることが必要だろう。……
アジアから日中への期待と果たすべき役割
現在の世界レベルの経済危機は、ある意味で、これまで日本政府が着々と築いてきたASEAN(東南アジア諸国連合)やインド、あるいは極東ロシアへの個別の経済貢献の実績を一気に広げる好機である。……
【評論】
東京大学北京代表處所長 宮内雄史
ところが、そこへ1990年代に至り出現したのが、中国の製造業の急速な発展とその影響であった。中国のカラーテレビ生産量は1990年に1000万台を超え、1999年には4000万台にも達する。……
後に感謝の有無として感情的な問題にも発展する円クレについては、実はこの1990年代に問題の種が撒かれていた。1979年〜83年の第一次円クレは4年間で3309億円、84年〜89年の第二次は6年間で4700億円の借款を行って、中国経済のネックになっているインフラ建設に協力するもので、文革大革命の齎した遅れと混乱、又殆ど払底していた外貨準備と言う中国の現状に対しては、深井戸から水をくみ上げる最初の呼び水を提供するような絶大な効果を上げたものであった。……
【中日交流】
鑑真プロジェクトに参加して
谷野作太郎 (財団法人 日中友好会館副会長)
此度、早稲田大学教授木下先生のお誘いを受け、多くの大学生達に伴する形で、「鑑真プロジェクト」(鑑真和上渡日の逆ルートを行く「鑑真和上東渡」ならぬ、いわば「平成版西渡」)に参加させていただいた。以下は、旅を終えての所感の一端である。……

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