中国語版へ

Vol.16(2009/02/20発行)

【特集】

専門家が語る2008年の日本経済と中日の経済・貿易交流

 首都経済貿易大学日本経済研究センターの李仲生教授(日本の早稲田大学経済学研究科特別招聘研究員)は先ごろ人民網記者の取材を受けて、2008年の日本の経済状況及び中日の経済・貿易交流について分析した。

 日本は世界第2位の経済大国として、21世紀初期から平成の不況を抜け出し、経済には転換が見られる。2002年2月以降、日本経済は戦後最長の成長サイクルに入り、経済は低スピードの成長を続けていた。しかし米国の経済衰退と世界経済の低迷の影響を受けて、2007年で日本の71カ月続いた経済拡大期は終了し、2008年には日本経済は減速を開始、2009年にも低迷が続き、日本経済の低スピードな成長は長期化する傾向を見せている。

 2008年に日本経済が減速し、経済の成長率は約1.4%に低下、これは2003年以来の最低水準となった。主な原因はグローバルな経済成長のペースダウン、特に米国経済が停滞に陥ったこと、及び貿易の条件が悪化を続けて日本の輸出が弱まり企業の収益が減少したためだ。2008年初期以降はサブプライムローン危機が世界的金融危機へと転換するのにともない、米国を中心とする世界経済は減速する勢いを見せ、グローバルな金融危機の影響を受けて日本の欧米向自動車輸出及びアジア向け電子製品輸出は大きく減少した。また一方で、米国経済の衰退と世界経済の低迷の影響を受け、日本企業の収益水準は低下、特に原油価格の上昇という背景の下で経営が悪化し、日本の中小企業の倒産が大きく増加した。経営コストの上昇と中小企業の破産の増加が設備投資の減少をもたらし、日本の総需要の縮小を生み、国内のニーズは減少したが、中国や中東、ロシアといった新興経済体の振興を受けて、米国経済のペースダウンにより生じた需要の減少の一部が相殺されている。この他に、日本では2008年、貿易の悪化から生じた取引の損失は28兆円に達し、実質GDPの約5%を占めている。これは同規模の国内総需要の国外流出も日本経済の低迷をもたらしたもう一つの重要な原因だということを意味する。

 2009年には世界経済の低迷の影響を受けて、日本経済は引き続き低いスピードでの成長となると見られる。国際通貨基金は最近、日本経済についての予測を行い、また米国の金融危機の世界への影響について述べ、それが日本経済の将来性を不確定にしていると表明。2009年の経済成長率は約0.7%で2008年の水準を大きく下回っている。日本政府は2008年12月に発表した予測で、物価変動の影響を除いた2009年4月1日から始まる2009年財政年度には、日本国内の総生産の実質成長率がゼロになると予測している。日本政府は2002年以来初めて日本経済のゼロ成長予測を発したことになる。日本政府は世界の経済成長のペースダウンと日本円の為替高を日本経済が将来直面するより深刻な試練だと見ている。

 日本は現在、経済停滞の現象が日増しに目立っている。こうした経済停滞の現象は2009年中頃まで続くと見られている。これは主にこれまでの貿易条件の悪化に加えて、国内需要も引き続き減少を続ける可能性があり、当時に海外経済の減速と円高が日本の輸出を脆弱化するためだ。しかし2009年下半期以降、原材料価格上昇の影響は徐々に弱まり、海外経済がゆっくりと回復するという仮定の下で、日本経済は徐々に回復し、年約0.5%という低い成長を達成すると見られる(私の個人的な見解である)。その回復の歩みは比較的堅実だろう。長期的な経済の構造調整を経て、基礎的条件が比較的堅実で、個人消費の成長は潜在力を持ち、内需の支援作用が将来的に回復し、景気の拡大局面が一定期間継続し、経済発展の将来性は比較的明るいだろう。経済成長のスピードが低い主な原因は、経済基盤が強く、日本は依然として世界的な工業製造大国で最大の債権国、最大の貿易黒字国の一つであるためだ。米国を除くと世界の他の国とは比べ物にならない経済的実力を備えている。莫大な金融資産が世界最大の輸出国とさせ、世界金融のトップとしての地位を引き続き保ち、外貨準備も大きい。21世紀初期から引き続き世界最大の外貨準備国である。世界で教育水準が高い国家であり、勤労な人民を持ち、教育の発展により国民の平均的素質が高く、多くの科学技術分野で世界の上位に立っている。製造業の基盤が強く、生産製造システムで強い競争力を持ち、財政政策分野では低利率を採用して所得税を減税、低利息融資といった優遇政策をとって、住宅建設の大幅な増加をもたらし、投資を拡大し、経済成長を刺激、日本の経済回復のスピードを高めている。

 金融危機の日本への影響

 今回の金融危機は米国の経済衰退によるもので、日本の輸出に大きな影響を与えている。日本と米国は貿易パートナーであるため、こうなると日本の外部経済構造全体が引き続き縮小を続けることになる。サブプライムローン危機の発生以来、米国経済は衰退を始めている。日本の輸出構造はグレードアップし、輸出市場は多様化しているため、こうした影響を軽減することはできるものの、日本の輸出貿易の成長と米国の経済は関連している。米国経済の衰退は日本の輸出のペースダウンを招き、日本の輸出の将来に対して定義できない影響を与える可能性がある。輸出の影響は日本の経済成長にも一定の影響を与えるだろう。経済のペースダウンから、労働力の供給に圧力がかかり、失業者が増加するだろう。主な影響は輸出分野だろう。

 中日経済・貿易の交流

 中国は2000年以来一貫して日本と貿易取引の分野で非常に密接な関係にあり、比較的良好な傾向を見せてきた。中国は一貫して日本の第一の貿易パートナーで、第二の輸出相手国だ。2007年は中日国交正常化35周年にあたり、両国の指導者の相互交流が盛んになり、中日ハイレベル経済対話が初めて開始され、また二国間経済貿易が全面的に拡大するのにともない、中国税関の統計によると2007年の中国と日本の二国間貿易は2360.2億ドルに達し、2006年に比べて13.9%増加している。そのうち中国から日本への輸出は初めて1000億ドルを超えて1020.7億ドルに達し、11.4%増加している。日本は引き続き中国の第一の貿易輸入相手国となっている。2008年以降も中日両国の貿易は引き続き良好な傾向を見せている。日本税関の統計によると2008年1〜9月の二国間貿易は2018.6億ドルで、日本から中国への輸出は963.8億ドル、中国からの輸入は1054.8億ドルで、日中貿易は67.7億ドルの赤字となっている。言い換えれば日本が赤字であることから、貿易面で若干の摩擦の可能性がある。

 この他に、日本から中国への上位2位の製品は機械設備製品と非鉄金属および関連の機器製品で、日本で優位性を持つ中国生産の製品は労働集約型製品、紡績品や原料、家具、玩具、靴、傘などだ。これら製品はそれぞれ日本が中国から輸入する十大製品の2、4、10位を占めている。

 中日の貿易には若干の摩擦はあるものの、今後も引き続き良好な発展の傾向を見せるだろう。

(編集WQ)--「人民網日本語版」

発行形式

『中日経済情報週刊』はサービス運営期間中、毎月5日・20日の月2回発行し、その後、本格的に週1回の発行に切り替わります。中日間の経済・貿易に従事する関係者をはじめ、国際的な視野に立って資源を開発したい中日政府の指導者、投資家、企業家、ビジネスマン、研究者の方々への情報サービスをご提供します。

サービス運営期間中、中日両国間に関する投資、企業招致、事業プロジェクト、業界情報など無料で掲載する関連ニュースを受け付けております。選考されたニュースについては、中日の読者にいち速く情報が配信されます。

E-mail:[email protected] / tel:86-10-65574990 / fax:86-10-65579038

人民日報社概況 | 人民網について | 日本語版について | ORI国際産学研究について | 広告受け付け | 情報調査研究 | ご意見・お問合せ

◎本刊に掲載の記事の著作権は人民網日本語版にあるか、著作権者が人民網日本語版の使用を許諾したものです。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。(特別注記を除く)