中国語版へ

Vol.22(2009/05/20発行)

【NRIの視点】

グローバル金融危機後の世界経済と日中の今後の対応(2)

木下俊彦 (早稲田大学教授)

 時間が非常に限られれいるので、ちょっと全部お話しはできないので、大事な点だけを最後に述べて終わりたいと思います。今は「アングルアメリカンシェアホルダーズキャピタリズムモデル」、つまり英米型、“株主の価値の最大化原則モデル”です。これに対する言葉、「ステックフォルダズキャピタリズム」といいますが、これの危機ではないかと。その「シュアフォルダーズキャピタリズムモデル」が上手くいかないとすると、次には何が来るかということを簡単にお話したいと思います。

 最近アメリカ人のみならず、世界中にショックを与えたのはジェネラル・エレクトリックGEの前のCEOであるジャック・ウェルチ氏が、「アメリカのシェアフォルダーズキャピタリズムモデルが滅びることが世界にとって良いことだ」と、「シェアフォルダーズキャピタリズムというのは長期投資ができなくなる」という、爆弾発言を『フィナンシャルタイムズ』にしました。今までアメリカの立派な経営者といえば、ジャック・ウェルチだったわけですから、非常に大きな衝撃を与えています。

 アメリカ最大の保険会社AIGのボーナス事件は、皆さんご存知だと思いますけども、それにまつわるいろんな問題、それからGMが構造的に立ち直るかどうかわからない。こういった問題は、少し前に起こったエンロンとか、アーサー・アンダーセンの問題と、一見関係ないように思いますが、やっぱり少しはアメリカの資本主義、指導者間の癒着とか、そういう問題をかなり意味しているのではないかと思います。

 昨日の『人民網』のニュースで、アメリカのCEOと日本のCEOとの比較がでていました。アメリカのCEOはですね、自分の会社が倒れそうになるのに自分のボーナスを出していると、一方日本のCEOは、別にそこまでいっていないのに経営者は自分でボーナスを減らしていると。その他、いかにCEOたちの行動が違っているかと。つまり、日本のCEOがいかにまともかということを、昨日の『人民網』のほうにも出ていました。

 日本経済は非常に大きな試練にはぶつかっていますけれども、私は日本のモデル、特に日本の企業のモデルというものを再評価して良いのではないかということを、皆さんにここで訴えたいと思います。

 時間がないので説明は省きますけども、いくつかのデーターがでています。日本がなぜ成功して、なぜ上手くいかなくなったかと、今どういう問題があるかなんていう説明などもでています。それから日本が中国の方にあんまり、おなじみじゃないんですけど、どうしてそういうのかと、例えば、日本ではノーベル化学賞をとった人が14人いますが、これは先進国数ヶ国を除いて非常に高いレベルにあります。日本のパテント取得数、これも上位25社の中で日本がトップであるし、それから日本の科学論文がどれくらい世界で引用されているかということでも、日本は、米英独につぐレベルにあると、このようなことが背景にあって日本モデルというのは存在しているわけです。

 GDPに対するR&A比率もですね、スゥーデン、フィンランドの次に日本は高いわけです。私は日本の経営のポイントというのは、外国のいいものと日本のいいものを、取捨選択しながら採用していくと。日本語では「機能重視型の動態的なハイブリッドモデル」と、私は名前をつけているのですが、外国のものだから拒否をするのではなく、“いいものは取り入れる”、しかし“悪いものは拒否する”という。しかも自分のいい所をくっつけて発展させていく。こういうことを長い間やってきて、現在もなお、特に製造業なんかでは、まだ完全に生きているということです。そういう所は中国が学ばれると非常に「徳」ではないかというふうに思っています。

 その説明はでていますが、それはちょっと省略しまして、そういうやり方で去年まで、非常に回復が著しかったということが書いてあります。今回また厳しい状況に入っていますし、日本の場合サービス産業の生産性が非常に低いと。製造業は非常に高いんですけども、そういう構造問題も、もちろんかかえています。これから日本の企業はどちらに進んでいくかということの、いろんな例がでていますがこの部分は省略します。

 それから皆さんジャパンクールというのはもうご存知だと思いますので省略します。アニメとか漫画とかですね、数独とか、いろんな日本のものが海外で今、非常にファッションになっています。それから上海エクスポというのは非常に重要でして、それ自身の投資額ではなくて、それを通して人々の生活・ライフスタイルが変わっていくというふうに我々はみていますが、あそこに対して、日本政府も民間も積極的に支援していくことになっています。

 時間がきてしまいましたが、中国の民間企業は今までは右肩上がりで、どんどん使い捨て文化、或いは非常に衝突案を短期的な思考、人材も自分で育てるのではなくてスカウト主義でやってきたと思うんですけど、いよいよ転機にきたと。経営者・従業員に、大きな意識改革の時期になっていますが、日本の企業からもいろんなことが学べるのではないかということを申し上げて、後は質問にお答えしたいと思います。

発行形式

『中日経済情報週刊』はサービス運営期間中、毎月5日・20日の月2回発行し、その後、本格的に週1回の発行に切り替わります。中日間の経済・貿易に従事する関係者をはじめ、国際的な視野に立って資源を開発したい中日政府の指導者、投資家、企業家、ビジネスマン、研究者の方々への情報サービスをご提供します。

サービス運営期間中、中日両国間に関する投資、企業招致、事業プロジェクト、業界情報など無料で掲載する関連ニュースを受け付けております。選考されたニュースについては、中日の読者にいち速く情報が配信されます。

E-mail:elilinwork@126.com / tel:86-10-65574990 / fax:86-10-65579038

人民日報社概況 | 人民網について | 日本語版について | ORI国際産学研究について | 広告受け付け | 情報調査研究 | ご意見・お問合せ

◎本刊に掲載の記事の著作権は人民網日本語版にあるか、著作権者が人民網日本語版の使用を許諾したものです。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。(特別注記を除く)