二度目の派遣は子供地獄
突然ですが、私は子供が嫌いです。小学生は特に苦手です。子供に駆け寄ってこられると、犬嫌いの人が犬に追い掛け回されるような緊張感を覚えます。中学生も生意気だから嫌いです。できるなら子供とは関係の無い仕事をしたいとも思っています。
私は以前甘粛省の蘭州大学で日本語教師をしていました。大学生にもいろいろな学生がいます。でも一度も怒ったことはありません。大学では「遊びたいなら遊べばいい。ただ後で困るのは自分だよ。」と言って、責任感を掻き立てることが可能だからです。しばらくして本当に成績が落ちてくると、彼らは曲がりなりにも勉強を始めていました。
ところが今回の赴任地では、ひたすら子供と野球をしたり、戯れたりする仕事をしています。活動の方を紹介しておくと、まず保定市にある中学生主体の野球チームのレベルアップ。第二に地域の小学校を廻り、体育の時間を借りて野球の普及活動。第三に地域の中学校を廻りチームの人材をリクルートしてくる。主に現在の活動はこの3つです。つまりどれを取っても私は子供と関わらなければならないと言う事なのです。
野球チームの少し競技経験の長い学生は厳しい練習に慣れているので、例えちょっと厳しくしてもあまり音を上げることはありません。しかし、新しく来たばかりの子供たち、「累死了〜」「受不了〜」と練習する前からもう死んだような顔をしています。「お前ら若いんだから根性見せろ!」と何度言いたかったことでしょう。でも中国語では言えません。そして小学校廻りの活動では、パンダの檻の前のように列をなして、珍しいパンダ(私)に質問攻めです。ただでさえ子供は何言っているのかわからないのに、中国語ではもう無理です。鬼ごっこもします。無理やり引きずられて女の子とゴム飛びもします。私はここに野球を教えに来ているはずなのに。毎朝起きるのが嫌です。寒いからじゃありません。午前中は小学校に行かなければいけないから。
そして赴任してからもう2ヶ月経ちました。先日バットを振り回している子供に怒ったら泣いてしまいました。やはり「あぁ子供は面倒くさいなぁ」と思います。ただ最近はコミュニケーションが少しずつ取れるようになってきました。どうも私は子供を苦手と思うあまり、笑っているばかりで子供の言うことを真剣に聞こうとしてこなかったように思います。その結果、彼らが仲良くなろうと私に向けて出すちょっとした「サイン」を見逃してきたんではないでしょうか。そんな事に気がつきました。
先日風邪を引いて小学校に行けませんでした。翌週久しぶりに行ったら、「日本人がまた来た!」「野球、野球!」と盛り上がっていました。一応まだ遊び相手として見てくれていることが嬉しかったです。これからは彼らに負けずに、こちらから向かっていこうと思います。せっかくの珍しいパンダもただ寝ているだけでは、見ている方もつまらないです。サービス精神旺盛なパンダになって、ついでに野球も好きになってもらえたら・・そう考えています。
18年度短期 河北省保定市野球チーム所属 八田 学