縦糸と横糸 〜ウランダワ沙漠植林活動のススメ〜
2007年10月19日から22日までの4日間、内蒙古自治区のオトク旗ウランダワ沙漠で恒例の植林活動が行われました。オトク旗ウランダワ沙漠は、同じオルドスでも私の住んでいる東勝からバスで4時間の所にあります。今、この記事を読んでいるみなさんは植林活動について、どんなイメージをお持ちですか?環境保護?慈善活動?面倒くさい?いやいや、ちょっとまってください。私も初めての参加でしたが、固定観念がすべて根底から崩れるような、心の中を爽やかで心地よい風が吹くような、そんな感覚を味わえる身近な活動であると言っても過言ではありません。ではほんの少しですがその感動を紹介します。
まず初めに、植林活動の主体が現地の人たちであるということ。つまり、某大手企業のイメージアップのための植林ツアーでもなければ、日本人が得意とする「お金だけ出して後は任せた型」の植林活動でもないということです。「なぜ今植林しなければいけないのか。」現地の人たちは子どもの頃からの植林活動を通して肌で感じているんでしょうね。現地の人たちと林業局の人たち、そしてその友達である日本人。「三本の矢」ではありませんが、環境保護に対しての意識がしっかりしているのです。どこに植物を植えると緑化に効率がいいのか、どんな植物を植えると有益なのか、羊や山羊の過放牧から学んだ収入アップのための養殖方法など、一見植林とは無関係に思えることも実によく生態系のことを考えているなあと感心させられっぱなしです。
次にウランダワ沙漠自体が生きているということ。ちょっと小高い丘に立ってみると360度大パノラマ、いろいろな表情を見せてくれます。人間一人の存在なんてちっぽけなものですが、決して不毛の大地ではないことが実感できます。ウランダワ沙漠は砂を少し掘っただけで水分を含んだ砂が出てきます。もともと緑一面に覆われていたわけですから、植物だって今もなお至る所に自生しています。植林に使う植物はそこで大きく育った植物を枝打ちして使います。植生を無視することなく有効活用というわけです。また、生えている植物のそばを足で踏むと、陰に隠れていた昆虫が顔を出します。「やれやれ、また人間が来たか。」なんて言っているのでしょうか。隣の植物に移動するその歩みの速いこと。ほほえましい限りです。見ていると自然と笑みがこぼれます。
この記事を読んでくださっているみなさん、毎日の生活に疲れていませんか?心に潤いを取り戻してみませんか?この植林は、オルドスをこよなく愛し、我らの大先輩でもあるS氏が音頭をとっています。詳しくは「オルドスの風」というHP(http://www5f.biglobe.ne.jp/~ordos-banben)をご覧ください。縦糸と横糸が幾重にも紡がれて色鮮やかな織物ができあがるように、いつの日か緑一面の大地になることでしょう。あなたも現地の人たちと共に植林活動に参加してみませんか。「共に働き、共に生活する。」協力隊のスローガンそのものを体験してみませんか。(2007年11月)
19年度1次隊 鄂尓多斯市第三中学 日本語教師 宮腰 卓秀