とどけ!ぼくらの想い 〜絆を深めた千羽の折鶴たち〜

 「今すぐにでも被災地に飛んでいきたい。」5月12日、未曾有の地震が四川を、そして中国を襲いました。中国西部大地震の際、中国では63名のJICAボランティアが日々の活動を行っていました。刻一刻と映し出される被災地の映像を、ただ手を拱いて見ているだけしができない自分がそこにいました。

 青年海外協力隊に現職教員参加であるわたしは、学校がたくさん倒壊していると聞き、居ても立っても居られず、事務所に電話をかけました。配属先での業務や安全対策措置により、現場へ駆けつけることができない隊員が他にも大勢いることを告げられました。また、他国で活動している同期隊員からは「あなたは2児の父親です。軽はずみな行動で誰かを悲しませることだけはしないで、今自分にできることを一生懸命考えることのほうが先決だと思います。」とメールで窘められました。

 折しもこの時期、わたしは2つのことを行っていました。ひとつは、高考(大学入試)を目前にひかえている3年生の志望校合格を祈願して千羽鶴を折っていました。そしてもうひとつは、6月14日から始まるボランティア総会の仕事で事前アンケートについて協議していました。その中で、被災地の四川で活動している隊員から募金の提案をうけ、メッセージを添えアンケートをとることになりました。そのアンケートにわたしは、千羽鶴を参加隊員全員で折って送るということを書きました。(この時は、四川大学附属華西病院で活動していた日本の医療チームに送ろうと考えていました。)千羽鶴に込める思い「病気快癒」「長寿」「平和のシンボル」「大願成就」は、日本人なら誰にでもDNAに刻まれているので、必ず採用されるという確信がありました。総会には50名の参加が予想されていたので、移動日を含め、総会当日までの3日間でひとり20羽、無理は承知でお願いしようと決めました。でも、千羽集まるかは正直不安でしたが、一人一人に行き渡るよう、協力へのメッセージと見本の1羽を添えて、小分けにしました。そしてさらに隊次ごとにまとめました。

 総会当日の朝、用意した箱に次々と集まってくる鶴を見て、その不安はどこかに飛んでいきました。会議終了後に有志で行った糸通しにも、隊次を越え、20数名が集まってくれました。中には、言葉も交わしたことのない新隊員もいて、目に見えない絆のようなものが生まれた気がしました。色とりどりの見事な千羽鶴が完成した瞬間です。初めて千羽鶴を目にする方もいて、本当にやって良かったと思いました。

 募金、千羽鶴の他にもうひとつ、全隊員で横断幕を作製しました。横断幕もアンケートの中から選ばれました。材料もJICA中国事務所の現地職員が用意してくれました。「加油中国!がんばれ四川!」という題字はわたしが書きましたが、中国人の方におなじみの「顔真卿」という書家の書体で書きました。前に、中国人なら小学生の書法の時間に書いたことのある書体で、基本中の基本と聞いたことがあったからです。学校や病院などさまざまな復興が今後為されていくことでしょう。でも、決して背伸びすることなく基礎基本に忠実な復興が為されるように祈りを込めて書きました。さらに、その周りには、総会に参加した全隊員が寄せ書きをしました。これは、四川大学附属華西病院で活動した日本の医療チームに届けられた寄せ書きのお礼とも思っています。

 そして、6月19日に工藤隊員と松井隊員がわたしたち中国隊員を代表して、募金・千羽鶴・横断幕を日本の医療チームの活動拠点となった四川大学附属華西病院に届けてくれました。その時の様子は、い