リハビリ交流、人と人とのつながり
中国の南方、広西チワン族自治区にある柳州市人民医院。私はここで理学療法士隊員として同僚治療師とともに脳卒中患者さんの治療、リハビリ普及活動にあたっています。
8月、私は赴任する直前に北京の中国リハビリ研究センターで、偶然にも母校の先生や友人と再会しました。ここのセンターではJICA中国リハビリテーション専門職養成プロジェクトにより、日本人専門家や日本へ留学した治療師が活動しています。心強く感じると同時に、そこで思ったこと。「私の2年の任期の内にセンターと配属先でつながりが出来ないだろうか?」
赴任後、リハビリ専門職教育の進む北京リハセンターと地方の治療師、また海外の専門家と交流する機会も、他地域のリハビリに関する情報も非常に限られている現実を目の当たりにしました。距離としても配属先の柳州と北京はかなり遠いため(汽車を使えば26時間!)、何かのきっかけがなければ行くことも難しいのです。柳州以外でどんなリハビリが行われているのか実際目で見て感じる機会を作りたいと思いつつ、5ヶ月が経った1月11日〜13日、早くもそのチャンスが巡ってきました。理学療法士である秋山純和専門家と、カウンターパートの厖紅さんが当院を訪問・指導に来て下さいました。院内見学指導、講義・実技、合間に会食とめいっぱいのスケジュール。参加者の熱気を感じ、当院だけでなく柳州市全体のリハビリ職種に対しても刺激になったのではと思います。この交流を継続させたいと考えていたところ、3月18日、北京リハビリセンターにて「第二回中日理学療法科学学会国際大会」が開催され、私と同僚治療師が一緒に参加することが出来ました!日中のリハビリ専門職種が250名ほど集まり、特別講演、ポスター発表、日中双方の演題を通してリハビリテーションの現状について意見交換を行いました。
今回の活動では、柳州市人民医院と北京リハセンターという組織同士の関係のみならず、数多くの治療師・看護師・医師達との新たな出会いがありました。当初の目的である、配属先や柳州市のリハビリ関係職種への技術交流というだけでなく、自分自身、出会った人が多くなるだけ活動の幅が広がっていく面白さも感じました。また、多くの人たちの理解と協力を得て実現に至るまで、今まで見えなかった・見ようとしていなかったことに気づきました。特に、人と人とのつながりがこんなにも大事で、自分が支えられているということ、日本で日本語の中だけで暮らしていた時には当たり前すぎて見過ごしていました。自分と同僚、配属先のたくさんの人たち、そして日々接している患者さんやご家族。それぞれの立場や価値観の違いにぶつかり上手く行かないなと思うことも確かにありますが、これからは活動も、自分の気持ちも少しずついい方向へと進んでいく気がします。
この広い中国で、一人の日本人理学療法士ができることって何だろう…点と点を結び線を作っていくように、そこから生まれたネットワークが広がっていくことを願い、明日も活動していきます。
平成17年度1次隊 柳州市人民病院 神経内科二病区 康復 理学療法士 金澤郁恵