笑顔につつまれて
2006年6月24日、私は四川省派遣の協力隊員、友貞さん、増田さん、松浦さん、辻さんが企画をした、「大石頭村皇崗小学校文化交流体育祭」に参加してきました。
大石頭村皇崗小学校は、海抜3000メートル、水道も通っておらず、少数民族のイ族の子どもたちが通う小学校です。
バスに乗ってゆられること1時間、期待に胸をふくらませて小学校に到着。バスから降りるとまず目に入ったのは、真っ黒に汚れた顔、鼻水を垂らしていても全く気にしない子どもたちの姿でした。話には聞いていましたが、「ここは本当に貧困地域なんだ。」と実感しました。小学校は、小さいながらもNGOの援助によって、教育環境はある程度整えられていました。しかし、私の赴任先の重慶市と比べるとかなりの差があるように感じました。
さて、開催された体育祭ですが、小学校に通う子ども、その保護者、村民、その他多くの方が参加したので、とても賑やかで楽しいものとなりました。子どもたちは、家族の方が参加してくれたので、とてもうれしそうな表情をしていました。一方で大人は、子どもに手を引かれて競技に参加し、ちょっぴり恥ずかしそうに照れ笑いをしていました。私は、いつもニコニコとした表情で優しさあふれるイ族の皆さんのことをすぐに好きになりました。
体育祭の内容は、ピンポン玉運びに、おんぶ競争、飴玉探し、子どもたちの合奏と歌、そして参加者全員によるダンス・・・始めのうちは恥ずかしそうにしていた大人たちも楽しい競技に次第に引き込まれていきました。本気になって競争したりしているうちに、みんないつの間にか「がんばれ〜」「はやくー!」などの掛け声をかけるようになっていました。最後に行なわれたダンスでは、参加者全員で手をつなぎ、みんなが一つになった気がしました。このようなすばらしい経験ができて本当にうれしく思います。
イ族の人々は、学校に行く必要性をあまり感じていない、ということを耳にしました。そのため、イ族語しか話せず、標準語を話せる人は少なく、計算もできない。結局、職も見つからず、貧困から抜け出せないという現状があるそうです。しかし、今回このような体育祭に参加して、イ族の子どもたちは、学校に通うことの楽しさを更に感じたことでしょう。そして大人たちは、子どもの楽しそうな姿、素敵な笑顔を見て、子どもを学校に行かせてあげたいと思い、学校で学ぶ大切さを感じてもらえることができたのではないでしょうか。
私は、今回の体育祭に参加して、ここで活躍する協力隊員の皆さんの活動は、イ族の方、中国の関係者ととても密接にかかわり、すばらしい関係が築けているような気がしました。
私自身は、重慶の幼稚園で活動をしてまだ半年ですが、自分も幼稚園の子どもや先生と密接な関係を築き、このようなすばらしい経験をしたいと思います。そして、子どもたちにとって幼稚園は大好きな場所であり、「明日も幼稚園に行きたい。」と感じてもらえるように、中国の先生たちと協力してより良い幼稚園にしていきたい、と強く心に感じました。
最後に、体育祭が終わり、帰ろうとする私にイ族の子どもがこんなことを言ったのを覚えています。「今日はすごく嬉しかった。またしたい。また来てね。」そう言って、すばらしい笑顔を見せてくれました。
子どもの笑顔はうそをつかない。いつも子どもの笑顔につつまれて温かい、そんな環境をつくっていけたらいい。私はあらためてそう感じました。
重慶市江北区新村幼稚園 17年度2次隊 幼稚園教諭 鈴木 順子