たくさん遊ぼう! 〜幼稚園教諭グループ活動〜

 重慶市の幼稚園に勤務し、早くも1年以上がすぎました。なかなか自分の伝えたい事をうまく伝えられず日々歯がゆい思いを感じる事があります。そこで今回、4名の幼稚園教諭が私の配属先へ集りグループ活動を行う事になりました。今回の目的は、公開保育を行ない「自由遊びの大切さを知ってもらう事」「先生たちにも、おいっきり子どもと遊んで楽しんでもらう事」でした。

 今回の活動はなんと100人以上の中国の先生たちが参加してくださいました。始めは、50人ぐらいだろうと聞かされていたのですが、想像を上回る人数が集りとても驚きました。熱気がムンムン感じられ、部屋には子どもの数以上の大人がびっしり見学し、「誰が子どもで誰が大人なのか」とわからなくなるほどでした!

 公開保育では、“パネルシアター(絵を使って話を見せるもの)、体操、小麦粉粘土、的当て、野菜スタンプ、輪投げ”を紹介しました。先生方はメモを取りながらとても興味を持って見てくださいました。また、子どもと一緒に体操や遊びに参加してもらい、子どもはもちろんですが大人もとても楽しんでいたようでした。みんながニコニコ笑って楽しそうにしてくださったのがとても印象に残りました。

 さて、今回の公開授業では「自由遊び」を紹介しました。これは日本では当たり前のように取り入れていますが、中国ではなかなかこれを受け入れてもらう事ができません。文化が違うのはもちろんなのですが、他にこのような理由があると思います。一つは、中国では自由遊びは「ただ遊んでいるだけ」と考える人が多いということ。そして、クラスの子どもが様々な場所で遊び、まとまって遊ばないのが苦手なようです。もう一つは、保護者から「勉強をさせてほしい」という要求が高く、中国の先生が遊びをさせたくてもできない状況にあるということです。実はこの自由遊びは子どもの成長にとってとても大切なものなのです。自由遊びを通して自分で好きな遊びを選び、遊び込むことで「考える力」「自主性」「集中力」等につながるといわれています。これらは“生きていくため”にとても大切な事だと私は思います。今回の公開授業を通して、中国の先生が、子どもの遊ぶ姿を実際に目にし、また、先生も子どもと共に遊び、楽しいと感じる事で、少しでも自由遊びを理解してもらえればいいなと思いながら活動を行なっていました。

 このような大々的な活動は、一人では絶対に行う事はできませんでした。準備等大変で、投げ出したくなる事もありました。しかし、みんなが集って活動する事で隊員一人ひとりの力が大きな力となり、より多くの人に日本の保育を紹介する事ができたので、今は「やってよかった!」と思っています。私自身、今回の活動で、勉強になる事もたくさんありました。また、配属先の先生方と打ち合わせを沢山行い交流を持ったことで、一つ自信がついたような気がします。そして、何よりも、私と配属先の先生、子どもとの距離がグッと縮まったのが、私の一番の喜びです。

 今後、このような良い関係の中で「子どものために何をしたら良いか?」日々配属先の先生方と沢山意見交換を行い、両国の教育を理解した上で、中国でも取り入れやすい保育内容を考えていきたいと思います。

17年度2次隊 重慶市江北新村幼稚園  鈴木 順子