目には見えにくくとも 着実な歩みを・・・
『先生、おはようございます!』
という、こどもたちの元気な挨拶と共に1日が始まります。
ここ重慶市南坪実験幼稚園に配属されて、3ヶ月が過ぎました。とは言っても、春節時期に着任したため、実際にこどもたちとクラスで活動し始めたのは、この3月。言葉のままならない私をカウンターパートの先生やその他の職員、こどもたちが支えてくれて、1日1日を過ごしているような毎日です。そんな中、4月、カウンターパートの先生から『明日は、重慶市内の幼稚園の先生方が、この幼稚園の授業を研修に来るの。大勢の人が来ても、緊張する必要はないわ。』と、突然伝えられました。日本にいると、この様な大きな行事は前もって伝えられる事が通常でしたので、突然告げられた大きな話に一瞬、開いた口が塞がりませんでした。幼稚園全体の教室・授業を見学して回るという形のこの研修会ですので、その点から考えても私の授業だけ逃れられるという訳にはいきません!着任して1ヶ月目の公開授業…『今、を見てもらうのも私自身の勉強だ!』と思い、臨みました。
朝の一斉体操、その日は私の担当だったので、いつものように『先生、よく分からないから、みんな、教えてね〜!』と声を掛け、スタート!100人は軽く超えているような来園者の視線に最初は足も竦む思いでしたが、意外に割り切りの早い私は、子どもたちと楽しんで活動することに夢中になり、あっという間に体操時間が終了、教室へ戻りました。入り口に立っていると、来園者の年配の先生が『あなたの体操、本当に楽しそうでよかったよ。本当によかった!』とわざわざやって来て、感想を述べてくれたのです。ビックリしました。私の保育はこどもたちと楽しんで活動すること…。これは中国の教育では、不慣れな習慣だと思っていたからです。たとえお世辞であってもいい、その一言が本当に嬉しく、中国での活動1ヶ月目の私にとっては勇気付けられる一言でした。
その後、私の授業では例によって大騒ぎ、、、いえいえ大はしゃぎのこどもたち!買い物袋でパラシュートを作って大喜びでした。
こんな未熟な中国語での保育をする私に対して、最近同僚の中からも、色々と興味を持って質問をしてくれる先生が出てきました。“先生の考えや授業の目的を教えて下さい”“私たちの教育に対して、園・クラスに対して、今の感想や考えていることを聞かせてください。勉強になります”と言ってくれるのです。専門用語、ベストな表現、言い回しは決して出来ませんが、そんな時は時間をかけてでも全力でお話するようにしています。
確かに、中国と日本、環境が違えば教育方法だって当然違います。一つの事に対する捉え方、解釈の仕方も変わってきます。何がいい、何が悪い、という極端な方法論よりも今は私にできる活動を中国という文化に融合させたり、共感してもらえる点を見出しながら表現していくことが大切だと思っています。日本では幼児期における感性の教育が注目されていますが、こういった目には見えない部分の教育活動は、時間もかかり、手ごたえも容易に感じられるものではありません。今は焦らずに、数々の失敗も重ねながら、、、そんな日々を繰り返す内に、きっと何かが見えてくるはず!ハッキリとした何かよりもジンワリと心に残ってくれるものでいい、スローであっても継続するスローであればいい、と感じながら、日々の活動に取り組んでいます。
まずは、自分!
自分が地域の人々とより多く触れ合い、文化・習慣を知るということが何よりも先決だと思っています。そこにこの地の教育の原点があると思うからです!
18年度2次隊 幼稚園教諭 重慶市南坪実験幼稚園 林 身江子