美術の授業を通して

 私は桂林市の小学校で2年生に美術を教えています。もうすぐ1年、元気で可愛い子どもたちや職場の方に色々と救われながら過ごしてきたように思います。

 初めは、私のつたない中国語ではきちんと指示が与えられないことや、授業環境が日本と違うことなどからなかなか思うようにいかず、とにかく1時間1時間を成り立たせることで必死でした。それでも中国の子どもたちは時折こちらも嬉しくなるようないい反応をしてくれるので、それがとても励みになりました。

 中国の美術教育では美しい作品を仕上げるための技能を身につけることに重点を置いている印象をもったので、それに加えて、自分らしさを表現できたり新しいものを作り出したりする喜びや楽しさを感じることを中心にした内容も取り入れたいと思いました。そのため後半落ち着いてきてからはなるべく長期で単元を組み、子どもたちが次は何をするのか、何を用意してきたらよいのかを見通せるように、そしてどう工夫を加えていけばいいのか考えられるようにしていきました。自分で考えて好きなようにできるというのは難しい面もありますが、やはり楽しいものです。子どもたちの作品は感心するものからちょっと笑ってしまうものまで様々で、どこの国でも子どもがもっている創造力はすごいなぁと思いました。

 相変わらず私の中国語はまだまだだし、いつも授業がうまくいくというわけにはいきませんが、最近では外国人の講師的な感じではなく、日本で担任していた子どもたちに接するのと同じような感覚で、やっと少し自分らしい授業ができるようになってきた気がします。先日書いてもらった子どもの感想の中に「美術の時間は悩みを忘れる」というものがありました。有難かった半面、子どもたちの時間を預かっているという責任の重さも改めて感じて気が引き締まる一文でした。

 中国に来たことは、日本に居たときとはまた違った見方で授業について考えるいい機会になっています。中国の先生方とも一緒に考えながら、子どもたちが喜びを感じられる授業づくりをしていけたら嬉しいです。(2007年7月)

18年度1次隊 桂林市芦笛小学校 小学校教諭 千田恭子