「内モンゴルと外モンゴル」

 私は3年前、モンゴル国(いわゆる外モンゴル)の高校で日本語を教えていました。そして今、縁あって中国・内モンゴル自治区の省都、フフホトで日本語教師として活動しています。「内モンゴルにいる」と言うと、ほとんどの知人・友人は朝青龍で有名な「モンゴル国」にいるんだと勘違いしますが、内モンゴルと外モンゴルは全然違います。両国で暮らして分かった違い、そしてこの夏3年ぶりに再訪したモンゴル国で考えたことについて書いてみたいと思います。

 よく内モンゴルと外モンゴルはどちらがいいかと質問されます。でも、「モンゴル」と言えど、「内モンゴルは中国」の影響が大きく、「外モンゴルはロシア」の影響が大きいので、街並みも生活習慣も人の性格も若者の服装も食べ物も…いろいろ違います。その中でも特におもしろいと思うのは同じモンゴル族でも、性格が違う点です。特に学生に日本語を教えていると、その違いが顕著なのですが、外モンゴルのモンゴル族は間違いを恐れません。間違えて発言しても恥ずかしがることもなく、笑って終わりです。簡単に言えば、彼らはオープンで、底抜けに明るいのです。一方、内モンゴルのモンゴル族は正解だという確信がないとあまり発言してくれません。ですから、モンゴル族の授業では漢族の授業よりもずいぶん早く授業が終わってしまったり、教室が「しーん」としてしまうこともよくあります。このシャイな側面は生まれ育った生活環境に根ざしているものなのでしょうか。いずれにせよ、どちらの学生もとても純粋でかわいいのですが。

 また、モンゴル料理と言えど、国が違えば料理法も異なります。やはり内モンゴルの方が野菜が豊富なので、モンゴル料理の種類も多いです。モンゴル隊員がフフホトに遊びに来て、「何を食べてもおいしい」とか、「モンゴルでも作ろうと思えばできるのに、どうしてこの料理はモンゴルにはないの」と言っていたのが印象的です。ちなみに彼女はフフホト駅に着いた瞬間、「完敗。何ここ、東京みたい!!」と叫んでいました。

 中国は来年のオリンピック開催に向け、建設ラッシュが続いています。その発展ぶりには目を見張るものがありますが、それはモンゴル国でも同じです。ウランバートルはこの3年で大きく発展しました。おしゃれな西洋風のお店がたくさんでき、車も野菜も果物もずいぶん増えました。でも、改めて外モンゴルに行って強く感じたのは、外モンゴルにはモンゴル族の伝統的な生活が色濃く残っていて、美しい豊かな草原もそのまま残っているということでした。今年は内蒙古自治区成立60周年の節目です。内蒙古自治区の人口の8割〜9割を漢族が占める中で、発展しながらも少数民族自治区として残していくべきものは何なのか、学生たちと再度考えてみたいと思います。

 さて、モンゴル族の写真を2枚載せました。どちらが内モンゴルで、どちらが外モンゴルの写真か分かりますか?!

内蒙古師範大学 日本語教師 森 まどか