卒園式を終えて・学前班クラスの子どもとの思い出

 7月20日、中国の赴任先において、初めて卒園式を迎えました。卒園する子どもは、幼稚園の中で一番年齢の高い学前班(就学前クラス)の子どもたちです。「中国の幼稚園の卒園式ってどんな感じなんだろう?」「卒園すると、もう会えないんだ…さみしいな。」といろいろな思いを感じつつ、1ヶ月ほど前より先生たちと卒園の準備を進めてきました。

 私が赴任してからちょうど一年が経ちましたが、学前班の子どもとは楽しい思い出がたくさんできたように思います。学前班は2クラスに分かれており、私は週に各クラスで一回ずつ授業(中国は幼稚園も授業形式なので)をしていました。子どもたちとの思い出の中で何よりも嬉しかったのは、子どもが私の授業をとても楽しみにしてくれたことです。「今日は何曜日だっけ?藤原老師の授業はある?」「明日は水曜だから、藤原老師の授業の日だね!」と、毎朝元気よく声をかけてくれる子どもたち。いつも自分から積極的に挨拶したり、話しかけたりする子どもの姿には、私自身も教えられることがたくさんあったように思います。私の授業では絵本の読み聞かせや、日本の歌及び手遊びの紹介、製作活動などを行なっていますが、授業中子どもたちは私の下手な中国語を一生懸命聞いて、真剣に取り組んでいました。私が問いかけたり見せたりするものに対し、子どもたちは「へえー」「おおおー!」と大きく反応を見せてくれ、その度に「素直だなあ」と嬉しく感じました。また、日本語のひらがなに自然に興味を持つ子どももおり、ひらがなを自分のノートに書いては私に見せてくれた時もありました。他にも、4月には作品展に出展するため、学前班の一部の子どもたち(帰宅する時間が遅い子ども)とともに、オリンピックをテーマとした作品を作ったことも、貴重な思い出の一つです。

 今回の卒園式への準備では、私は卒園式会場の壁面装飾を担当することになりました。学前班の授業の時間に、私が「みんなで一つのものを作るけど、何が作りたい?」と尋ねると、子どもたちからは「気球!」「大きなバス!」「恐竜!」「自分の人形をもう一度作りたい!」などなどの意見が…。そこで、みんなで大きな気球を作り、そこに自分の人形を乗せよう!ということに決定しました。また男児の中では、どうしても恐竜を作りたい!という意見も多かったので、気球の部分に恐竜を描こう!ということにもなりました。「この日の授業では自分の人形の顔を作ろう」「次の授業では体の部分を…」「来週の授業では気球を作るから、どんなのがいいか考えおこう」など提案し、子どもと相談しながら少しずつ作り上げ、卒園式の一週間前にようやく完成することができました。

 さて7月20日、卒園式の当日。式の内容は、@卒園証書授与(一人ずつ)A卒園の歌・言葉(子どもによる)B授業の成果(英語・数学・国語)などなど。「一人ずつ卒園証書を渡す」「子どもが卒園に向けての言葉を言う」ことは園長と私が相談し、新しく取り入れたことです。結局、式の当日は内容が多く時間的余裕が無かったのと、新しい内容を初めて実行したということで、スムーズに行かない面が多くありました。けれども、子どもたち同士、協力して作り上げたもので会場を装飾したり、一人ずつに証書を渡したりするなど、子ども中心の卒園式をする試みができただけでも良かったように感じています。もうあの子どもたちに会えないのか…と思うととても寂しいですが、子どもたちが私にくれた元気や優しさをいつまでも自分の宝物として大切にしていきたいです。

17年度1次隊 湖南省株洲市 幼稚園教諭 藤原 由紀