湖南省日本文化祭に参加して
中国南方に位置するここ湖南省も日に日に寒くなり、木枯らしの吹く季節となりました。そんな中、11月3日から5日までの3日間、長沙市にある中南大学で、「湖南省第3回日本文化祭」が開催されました。去年までの名称は「湖南省日本語コンクール」でしたが、今年は名称を「湖南省日本文化祭」に改め、湖南省の12の大学と2つの高校が参加しての開催となりました。
内容は、例年通り日本語スピーチコンテストと即席作文コンテストを中心に、華道や剣道のデモンストレーション、日本大使館や国際交流基金、日本学研究センターからお越しいただいた先生方の講演、そして各大学の学生によるさまざまな活動と、盛りだくさんでした。
メインイベントである日本語スピーチコンテストは、2日目に行われました。スピーチのテーマは自由だったため、各学校から選抜された学生が、思い思いの内容について一生懸命スピーチをしていました。「円と縁」「1分で何ができるか」など、それぞれ創意工夫が感じられ、聞くほうも楽しめました。日本に行ったことのない学生が多い中、半年から数年という短期間の学習で、これだけのスピーチができるようになるものかと大変感心しました。特に発音については、日本人かと間違えるほどに上手な学生もいて驚きました。指導なさった先生方と、本人の努力の賜物だと思います。
会場となった中南大学は、とても大きい大学で、それぞれの会場を探すだけでも一苦労でしたが、参加した高校生にとっては、大学の雰囲気を味わうという点でもいい機会となったようです。また、中南大学は周りに湖南大学と湖南師範大学があり、大会に直接参加しない学生も多く訪れてくれました。普段、他の学校の学生との関わりは多くないので、同じように日本語を勉強する学生に会い、お互いに影響を受けたのではないでしょうか。
このような省全体を挙げての日本語祭りは、この広い中国でも他に例を見ないそうです。準備段階から各学校の担当者で実行委員会を作り、お互いに情報交換をしてきましたが、当日の会場でも、異なる学校の学生や先生同士が活発に交流する姿が見られました。この大会を通して、日本語を勉強する人たち、日本語を教える人たちのつながりができていけば、とてもうれしいことです。そもそもは湖南省の協力隊員が発案したこの大会ですが、中国全土に仲間がいるボランティアだからこそ、学校という枠にとらわれずに、広い視野で考えることができたのかもしれません。
今回の日本語祭りを通して、このような大会の良さを体験することができた一方、来年以降へ向けての課題もいろいろと考えられました。この湖南省日本文化祭が、今後ますますよりよいものになっていくよう、協力隊員として、そして湖南省で活動する日本語教師として、できることは何か考えていきたいと思っています。
湖南師範大学旅遊学院 日本語教師 田中 奈緒美