ODA民間モニター視察団を迎えて
2006年8月22日、ここ河北省張家口市にODA民間モニター視察団の方々がやってきました!!!
日本のODAは現在、総額で世界トップクラスの規模にあり、150を超える国と地域に対し実施され、日本の国際社会に対する貢献の重要な柱の一つになっています。しかし、その一方で、ODA事業は、その実施現場のほとんどが発展途上国であるため、事業の実態や成果、これに携わる関係者の姿が、関係者以外の一般の方々には見えにくいという面があります。国民から、日本の援助は援助を受ける国にとって本当に役立っているのかという声もききます。そうした中、ODAを一層効率的・効果的な質の高いものとするため日本のODAを支えている国民の方々が、実際に海外のODAの現場を直接視察するということがこの目的となっています。
当日、まず初めに同じ街に派遣されている看護師隊員の病院を視察し、その後私の勤務している病院に来ていただきました。バスが到着すると、病院のスタッフ、患者やその家族が見物に集まってきて、病院のベランダはギャラリーがズラーと並ぶほどの騒ぎ。なぜなら、この街の人たちは初めてみる大勢の外国人、そして日本人なので地元の皆さんは興味津々、興奮状態・・・。
到着してすぐに私の部屋を視察。部屋といっても、私の部屋は病院の病室の一室。皆さんに、「困っていることはありますか?」と聞かれて「冷蔵庫がないので冷たいモノ最近食べた覚えがないです、この暑いのに。それから、洗濯機がないから手洗いでゴシゴシしてます。初めの要請時の条件とは違う点が多々あります。でもここは中国であって日本とは違う環境なので仕方ないかなって思っています。」と答えた。皆さん日本では考えられない私の生活に驚いていました。
そして次に、勤務している病棟を視察。現在、神経内科で勤務していますが、赴任当初はこの病棟のリハビリ室で理学療法士として働いていました。日本でリハビリは理学療法士の仕事ですが、ここ中国では看護師の仕事となっており、理学療法士という専門の職種はまだ浸透していないのが現状。看護師がリハビリをするのにも、日頃リハビリという業務を行なっていないため、知識が十分でなく、器械を使いこなしておらず、患者と家族がリハビリ室の器械を使っている状態です。私がこの関節はこうゆうふうに動かしたほうがいい、この器械はこう使うものだと説明しても、理解を得るには時間がかかりそうです。病棟でも、中国の看護師は点滴することが業務の中心となっており、日本の看護と異なります。日本の看護師は、例えば呼吸困難の患者がいれば背中を擦る、声をかける、訴えを聴いたり、コミュニケーションを図る、動けない患者には介助をします。そういった日本の看護を紹介したり、実際にやっていても、彼女たちは日本と中国ではやり方や看護師の人数も違う。だからそういう事はしなくていいといわれてしまう。しかし、ここ最近私の日々の看護が患者に評価されそれを見て同僚が、「日本の看護の知識を紹介してほしい」という声が聞かれるようになってきました。赴任後4ヶ月目にしてやっと私の活動が認められるようになってきたのです。また、医療では何をするにしてもお金が先に必要となります。救急で運ばれても入院していても、お金がないと医療を受けられないのが現状であるということをモニターの方々に説明しました。
日本とは違う事が多々あり、それが尋常となっています。これは、国・文化の違いなのかもしれませんが、患者は病んでおり、点滴だけが治療ではなく、心のケアもするのが看護ではないでしょうか。私がここで何かを大きく変えるのは難しいが、日本人の一人の看護師がここに派遣されたことによって何か少しでも変わるモノがあればいいなと思っています。それは、形にならないモノかもしれません。この地で携わった人たちの心の何かが、この任期を終えて帰る2年後に変わればいいと・・・。そしてその時、日本では味わえない辛いこと、楽しいことがある生活をしたこの街を、今以上に好きになって帰りたい。
ODA視察団の皆さんは、このような私たちの活動を見て、「大変なところでがんばっていることにとても感銘を受けた。やはり中国へのODAはまだまだやることがある」との感想を頂きました。
今回、ODA視察団の皆さんに出会えたことに非常感謝!!
* ODAとは、Official
Development Assistance(政府開発援助)の頭文字を取ったものです。政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つために行う資金・技術提供による協力のことです。
17年度3次隊 河北省張家口市建国医院
看護師 小西寿美