第十二回瀋陽弁論大会

 私は2007年7月に遼寧省の瀋陽市朝鮮族第一中学に赴任しました。あっという間に月日が流れ、すでに9ヶ月が経ちました。瀋陽は中国で5番目に大きい町です。また、日本語教育もとても盛んな地域であり、私の学校にも日本語を第一外国語として勉強している高校生が350名以上います。ありがたい事に活動は充実し過ぎるほど充実し、学生にも同僚にも恵まれ、駆け出し日本語教師ながらも、毎日楽しく授業をしています。

 2008年4月20日に「第十二回瀋陽弁論大会」が開催されました。この大会は、主催:瀋陽日本人会、遼寧省対外友好協会、瀋陽市外事弁公室  賛助:独立行政法人国際交流基金  後援:在瀋陽日本国総領事館、独立行政法人国際協力機構中華人民共和国事務所 と、たくさんの協力のもと行われています。

 この大会には、大学T部15名、大学U部15名、高校生の部11名、計41名の学生が予選を突破して出場しました。大学T部は第一外国語として日本語を勉強している大学生、大学U部は第二外国語として日本語を勉強している大学生、高校生の部は第一、第二外国語として日本語を勉強している高校生が対象です。私の学生は高校生の部です。一つの学校から参加できるのは2名まででした。この出場者を選ぶことも、とても大変な作業になりました。出場希望者20名近く全員に大会用の作文を書かせ、指導し、校内でスピーチ大会を開きました。そして、その中から2名の出場者を決めました。ここまでの作業で新米教師の私は、くたくたになってしまいました。が、ここからが本番、出場者が決まってからは昼休み、晩自習の時間も利用して練習に練習を重ねました。それは学生の希望によるものでした。その熱意を感じ、私もできるだけ応えたいと思い、毎晩遅くまで練習をしました。

 やれるだけのことはやった!!大会当日、高校生の部は15時からでした。会場であるホテルは豪華で広く、観客席は300席以上もありました。会場に着いた学生達はその雰囲気に緊張ガチガチで、私もそんな学生達を見ていたら一緒に緊張してしまいました。そしていよいよ高校の部開始、私の二人の学生は作文を完璧に読み終えました。「これは入賞できるかもしれない」私の胸は期待でいっぱい。作文を読み終えたら二次審査は即席スピーチです。こちらは彼女達の力を信じるだけ。しかし私は弁論大会の実行委員の仕事があっため、この即席スピーチは見ることができませんでした。即席スピーチが終わって、学生達が私のところに来て両腕で大きく「バツ」をしました。そっか、ダメだったんだ…それでも結果発表を待ちました。結果は…入賞できず。この一ヶ月の彼女達の努力を思うと、悔しくて悲しくて。しかし学生達は元気でした。「納得のいく結果だったし、自分はがんばったから気持ちがいいです。」と笑顔で言っていました。その笑顔を見て、大切なのは結果ではなく、過程である ということばを再認識することができました。学生達は、他の学校の学生と交流できた事にもとても喜んでいました。学生も私もこの大会を通じてたくさんのことを感じました。この大会はとても大きな意義を持っていると思います。これからも、たくさんの人の協力を得て続いていくのでしょう。(2008年5月)

19年度1次隊 瀋陽市朝鮮族第一中学 日本語教師 熊倉亜紀子