誰も知らない単県
私は2007年11月から山東省菏澤市単県の高校にて日本語教師をしています。赴任前、知り合いの中国人や中国に詳しい方・中国語の先生などに単県について聞いたところ、全ての人が「聞いたこともない。本当に山東省にあるのか?」という回答でした…。
山東省は北京と上海の間に位置し、菏澤市単県は山東省の西にあります。東の青島や煙台などの都市とは異なり、とても小さな農村です。配属先の単県五中は周りを一面の小麦畑に囲まれており、放し飼いにされている動物も数多くいます。人々は皆人懐こく話好きで、本当に親切です。たまに単県を離れると、すぐに単県に戻りたくなってしまいます。
ほとんどの生徒は校内の寮に住んでいます。生徒たちの一日は早朝ランニングから始まり、朝6時半から夜9時半過ぎまでびっしりと授業や自習などがつまっています。また、土日祝日も学校で自習をしています。校則もとても厳しく、全てを守っていたら普通の生活ができないのではと心配になってしまいます。成績の伸びない生徒ややる気のない生徒に接するたびに、もっと真面目に勉強すればいいのにと思ってしまいがちですが、毎日この環境でこの時間割をこなしているだけでもすごいことだなと思い直しています。
単県五中は生徒数約10000人、教員数約300人の地域の重点中学です。外国語科目は英語・ロシア語・日本語の3科目が設置されています。日本語を学ぶ生徒は各学年2クラスずつ(1クラス約100人)、約600人です。
私は主に1年生2クラスを担当しています。上記のように1クラスの生徒数が非常に多いため、教室は常にギュウギュウで全く動くことができません。語学学習には決して良い環境とはいえません。また、普段生徒たちが日本文化や日本語に触れる機会はほとんどありません。そのため、日本語学習のモチベーションを保ち続けるのはとても難しいようです。できる限り生徒主体で楽しみながら学べるようにと考え、毎日の授業を工夫しています。
先日、他国で活動されていたSV(シニア海外ボランティア)の方お二人が単県五中へいらっしゃいました。ここでは外国人は大変珍しいため、大騒ぎとなってしまいました。お二人には生徒たちに今までのボランティア活動の経験やグローバルイシューについて、中国の印象などをお話していただきました。生徒たちは大変興味を持ったようで、たくさん質問をしていました。今後、外へ目を向けるきっかけとなることを願っています。遠いところをわざわざお越しいただいたお二人には、本当に感謝しています。ありがとうございました。
私の任期はあと1年半です。ここで私がすべきことは何か、初心と感謝の気持ちを忘れず、焦らずマイペースで活動していけたらと思います。(2008年4月)
平成19年度2次隊 山東省単県第五中学日語組 日本語教師 佐藤絵美