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【中国に行ってみよう!】 第二回 北京篇——胡同と四合院

北京の街並みと言えば、灰色の壁と瓦、伝統的住居形式の四合院。そして胡同(フートン)。

胡同(フートン)とは、北京独特の細い路地、横丁のことで、まるで迷路のように張り巡らされており、一度迷い込むと、目的地につくのか、大通りに出られるのか、不安になることがあります。また、それを楽しんでわざと迷いこむことも。

元の時代の都、大都の道路建設規定で、幅二十四歩(約37.2m)を大街、十二歩(約18.6m)を小街、六歩(約9.3m)を胡同と定めたのが始まりだそうで、その頃は整然としていたと思いますが、その後、明、清、近代、現代と時代を経て、不規則な路地が増えていったことにより、現在の入り組んだ胡同となったそうです。

今や、9.3mの幅がある胡同は胡同らしくないですね。車2台がやっと通れるくらい。もしくは1台しか通れない。そんな幅が現代の胡同です。

胡同にある住居はほとんどが四合院で、清の時代には、故宮周辺の胡同には貴族や武官や文官などの官僚が住み、故宮から離れた胡同には、商人や庶民が住んでいました。四合院は、中庭を囲むように東西南北に家屋があり、南側が入り口となっています。現存する四合院のほとんどが清の時代のもので、その時の住人の身分や位によって、規模も内装も大きく異なります。門を見れば、身分がわかると言われています。

北海公園北門や前門からの三輪車での胡同めぐりツアーをぜひ体験してみてください。

もともとは、一つの家族が1軒の四合院に住んでいたわけですが、その後、多数の世帯が雑居し、四合院内の中庭に家屋を増築したりして、その姿も大きく変わってしまっています。また、台所やトイレのない家屋もあり、共同トイレや共同の水道を利用していて、決して快適とはいえない生活環境です。

ただ、その中でおしゃれなカフェやバー、ホテルに生まれ変わった四合院もあり、内装も整えられ、旅行客は快適に昔の雰囲気を楽しむことができます。

什刹海の周囲には、四合院を利用したバーやレストランが多くあり、夜遅くまで賑わっています。大柵蘭あたりでは、昔ながらの老舗が改装され、往時の華やかさを再現しています。

昔からある四合院を改装したホテルは、バックパッカー用の激安ホテルから3000元を超える高級ホテルまでピンキリです。内装もとことん中国式にこだわって、家具も全て中国式、ベッドも中国式の天蓋付きベッドというところもあれば、外観は昔のまま、内装は西洋式や現代風になっているホテルもあります。

四合院の特徴である中庭がカフェとなっていて、ゆっくりお茶を楽しむこともできます。

ただし、もともと古い建物ですから、電気や水道など根本的な改装を施していない限り、若干の不便さは残ります。

一軒家ですから、暑さ寒さの調節も難しいですし、ドアを開ければすぐ外ですから、虫も入ります。シャワーや水道の施設も完璧とはいえないホテルもあります。

テーマパークに来たようなノリで宿泊すると、不満が残るのが四合院の宿泊です。

「本物」なのです。

北京の5つ星ホテルと同じ料金であっても外資系5つ星ホテルと同じサービスは受けられないと覚悟してください。不自由さ、不便さを覚悟しながら、昔ながらの四合院を味わいたいと、いにしえに思いを馳せたいという方に泊まっていただきたいと思います。

(最近新しく建てた四合院建築のホテルはこの中に含みません。あくまでも古い四合院を改装した宿泊施設。とご理解ください。)

私は何度か古い四合院を改装したホテルに泊まりました。当時は四合院ホテルが少なく、部屋代は5つ星ホテルより高かったですが、

1. 寒くて眠れなかった

2. 就寝中、足を南京虫にかまれた

3. 洗面所の水がチョロチョロとしか出なかった。お湯もぬるかった。

4. 排水に問題があった。

5. 家具の引き出しが壊れていた。新しい家具であったが。。。

と、いろいろありました。それでも、四合院に泊まり、胡同をウロウロするのは楽しいです。

青山周平さんという北京在住の日本人建築家が昨年中国のテレビ番組(中国版「大改造!!劇的ビフォーアフター」)で四合院を改装し、美しく機能的に生まれ変わらせて有名になったそうです。

(関連記事:中国で活躍する日本人建築家・青山周平さん)

北京は今、四合院を大切に残そうと努力し、しかも快適さも求める時代になのですね。(渡辺直子)

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北京のおすすめルート ※体力に自信のある方向けです。

1日目 天安門広場国旗掲揚式→朝食→故宮→景山公園→昼食→三輪車で胡同めぐり

2日目 頤和園→昼食→万里の長城→明の十三陵(またはオリンピック会場)→王府井散策

3日目 天壇公園→昼食→中国国家博物館→前門付近散策

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「人民網日本語版」2016年4月19日