世界初の白いパンダに関する最新の研究成果が発表

人民網日本語版 2023年09月08日14:44

四川臥竜国家級自然保護区管理局(以下、「同管理局」)は4年前に1枚目となる白いジャイアントパンダの写真を発表した。その後も複数回にわたり白いパンダが活動する映像が撮影され、全社会から注目を集めた。新華社が伝えた。

同管理局ではこの世界で唯一の白いパンダのための特別チームを発足し、4年に及ぶ追跡観測を行った。性別はオスなのかそれともメスなのか。またその生活環境は他のパンダと異なるのだろうか。

同管理局高級エンジニアの譚迎春氏によると、リアルタイム伝送の赤外線カメラ映像資料により、その尾部にオスの生殖器の特徴があることは早い段階で確認できていたという。「しかし遺伝子変異の可能性があるパンダであることから、野外で撮影された鮮明ではない映像の証拠では、その性別の推断を完全に支持することはできない。より多くの明確な生物学的情報を取得するには遺伝子検査が必要となる。そのため、その糞便もしくはその他の生物学的標本を採取する必要がある」としている。

そして譚氏は、「リアルタイム伝送の赤外線カメラ技術及び手段を採用し、白いパンダが頻繁に活動するエリアを重点的に観測した。そしてカメラが白いパンダを発見した後、直ちに人員を山に派遣し、映像が示す方角を辿り、その新鮮な糞便を採取し、さらに関連検査機関に速やかに送って、ゲノムシーケンシング技術により分析した。DNAの最終的な結論はオスだった」とした。

カメラの映像には、この白いパンダの生活の様子の数々が収められていた。同管理局高級エンジニアの劉明衝氏によると、このパンダは臥竜保護区の高山と密林の中で頻繁に活動していた。調査によると、これらの地域は気候が温暖で湿度も高く、植生が良好で竹林が繁茂している。また、細長い樹洞の周辺では、白いパンダとパンダの母子が一緒に写った写真も撮影された。

「子連れのメスは通常、成年のパンダが近づくと強い攻撃性を示す。写っていたメスのパンダは、白いパンダと長期的に仲睦まじく過ごしていることから、白いパンダの母親の可能性が極めて高いと判断している。これは白いパンダがオスであるという結論とも矛盾しない」としている。劉氏によると、単独で暮らす動物の大半は近親の繁殖を回避するため、オスが母の元を離れる。ところがパンダはメスが母の元を離れる。「家」を出たオスと母の生活エリアは通常、一部が重複するという。

調査研究に参加した北京大学生命科学学院研究員の李晟氏によると、カメラはさらにこの白いパンダとその他のパンダの個体との交流を撮影した。白いパンダはその見た目は変わっているが、このエリアのその他のパンダの個体と良好な関係を構築し、順調に生活していることが分かる。これはまた、臥竜のパンダ生息地の質が高く、十分な食料資源があるだけでなく、野生のパンダに適した生存環境を提供していることを反映している。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年9月8日

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