万里の長城の麓にある写真愛好家が集まる村

人民網日本語版 2023年10月24日14:02

金山嶺長城(万里の長城の一部)の麓に位置する河北省滦平県巴克什営鎮花楼溝村の村民は、有名な万里の長城で生計を立てている。1980年代、金山嶺長城が一般公開されて以降、そこには中国国内外の写真愛好家が続々と押し寄せている。村民はガイドを務め、農家院(農村家屋を利用した宿泊・レストラン施設)や民宿を経営することで、その暮らしはますます豊かになっている。

花楼溝村の1日は満天の星がまだ見える早朝4時に始まり、金山嶺長城景勝地の入口では、万里の長城に登るためにやって来た写真愛好家の姿がすでにある。万里の長城をカメラに収めに行く宿泊客の案内をする民宿を経営している村民もたくさんいる。日の出や夕日を撮影するには、どこが一番良いかやどんな天気になると雲海を撮影できるかなどを、村民はしっかり把握している。

上空から見た花楼溝村。

上空から見た花楼溝村。

1998年、村民の周万萍さんが、上海のカメラメーカーの海鷗照相機のカメラで撮影した「晨曦中的中国長城」は、国連の「世界文化・自然遺産」フォトコンテストで二等賞を受賞した。また、2001年に周さんが撮影した「長城系列」は、第5回中国撮影金像賞を受賞した。村民の段久軍さんが撮影した「中国竜」は、第4回全国農民フォトコンテスト金質収蔵賞を受賞した。村民の周広山さんが、雪上がりの朝に金山嶺長城の望京楼に上って撮影した「長城晴雪」は、第2回錦繍中華全国風光フォトコンテストで金鼎賞(銀賞)を受賞した。このように、万里の長城の麓にある花楼溝村には、才能あふれる写真愛好家がたくさんいることで広く知られるようにもなっている。

村民の周万萍さんが撮影した「金山嶺長城」の写真(写真提供・周さん本人)。

村民の周万萍さんが撮影した「金山嶺長城」の写真(写真提供・周さん本人)。

村民の段久軍さんが撮影した「中国竜」(写真提供・段さん本人)。

村民の段久軍さんが撮影した「中国竜」(写真提供・段さん本人)。

2021年、花楼溝村は、「承徳市文芸名村」に認定された。そして、村に写真家協会が設立され、その会員は50人以上に達している。うち2人は中国写真家協会の会員、10人は河北省写真家協会の会員だ。

写真家愛好家と共に日の出を撮影するために夜明け前に万里の長城に登った花楼溝村の村民(撮影・智春麗)。

写真家愛好家と共に日の出を撮影するために夜明け前に万里の長城に登った花楼溝村の村民(撮影・智春麗)。

最近、周さんのもとには、「今から鄭州からそちらに向かうので位置情報を送信してもらえませんか。写真を撮影するために明日早朝に万里の長城に登る予定です」といった、写真愛好家からの電話が頻繁にかかってくるという。周さんは、「先週末、うちは宿泊客でいっぱいになった。その9割が写真愛好家だった。江蘇省や上海市、遼寧省などのナンバーを付けた観光バスも村にたくさんやって来る」と話す。

早朝に万里の長城を撮影する写真愛好家(撮影・殷爍)。

早朝に万里の長城を撮影する写真愛好家(撮影・殷爍)。

写真撮影を通して、各地の人々の間で「花楼溝村」が知られるようになり、その「友達の輪」がどんどん広がり、観光産業が発展し、村民の暮らしはますます豊かになっている。

花楼溝村はどんな今後の発展の青写真を描いているのだろう?巴克什営鎮党委員会の李鵬書記は、「万里の長城に登る観光客が滞在する時間は半日だけであることが多い。そのような観光客にもっと長い時間滞在してもらうためには、関連サービスを整備しなければならない。革新的な民宿の経営スタイルを生み出し、いろんなランクの民宿を用意しなければ競争力を高めることはできない。景勝地、文化旅行、民宿、ウェルネス、観光スポットの連結というのが今後の開発の方向性」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年10月24日

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