「90後」の退役軍人が立ち上げた家事代行チームが話題に
「90後(1990年代生まれ)」の退役軍人である李清龍さん率いる家事代行チームが今、四川省成都市の家事代行業界に新たな風を吹き込んでいる。同チームは軍隊の日常的作業(ベッドの整頓、室内の清掃、衛生の保持など)の基準を採用し、手際よくきっちり家事をこなしている。そして、上海や西安、珠海など中国の20都市以上で業務を展開しているほか、整理収納や新型家事代行サービスなど、新たな分野にも手を広げている。成都商報が報じた。
「軍隊式」の特色打ち出した家事代行チーム
李清龍さんの退役記念写真
1993年に四川省米易県で生まれた李さんは2016年9月、四川大学錦城学院を卒業後、軍隊に入隊。陸軍のある部隊で4年間兵役に就き、2020年9月に退役した。そしてその後、家事代行業界へと足を踏み入れた。
李さんは現在、成都市で約70人からなるチームを率いている。メンバーのほとんどが退役軍人で、平均年齢は25歳前後となっている。
李さんによると、チームに加入するメンバーは全員、厳しいトレーニングを経ており、なかにはトレーニングをクリアできないケースすらあるという。「 みんな軍隊の日常的作業には慣れているが、それらと家事は異なるものだ。各家庭によって状況が異なるように、クライアントによってニーズも異なる。そのため、厳しい専門的なスキルトレーニングが必要となる」と李さん。
業界の他の会社と異なり、李さんのチームには特殊なサービス基準がある。業界基準をベースに、軍隊式要素をそこに取り入れているのだ。作業開始前には、団地の指定の場所で身なりを整え、列を作ってクライアントの家まで行進していく。そして、挨拶をしてから家の中に入り、横一列に整列。作業を進める際には、隊長がクライアントとのやり取りを担い、極めて高いチームワークと統率力を発揮。作業を終えた後は、軍隊の日常的作業のチェックと同じように、メンバーたちは白い手袋をつけて最終チェックを行う。
では、掛け布団も軍隊式に「豆腐」のようなきれいな四角に畳んでくれるのだろうか?李さんは、「ほとんどの家庭はベッドに掛け布団を広げた状態にしている。でも、『豆腐』のように畳まれた掛け布団を見たいというクライアントもいるので、そういうケースに関しては要望に応じている」としている。
「肩書きは変わっても基準は変わらない」
「退役当初、何をすればいいのか分からなかった」と話す李さんは、ショート動画を見ていた際、整理収納アドバイザーの動画をしばしば目にしたという。そこで詳しく調べてみたところ、家事代行業界における新たな分野であり、その前途が明るいだけでなく、軍隊で学んだことを活かすこともできることに気づいたという。ただ、家族や友人は「整理収納アドバイザーというのは家事代行サービスのことで、若者がする仕事ではない」と、なかなか納得してはくれなかった。しかし李さんの決心は固く、自ら整理収納アドバイザー養成教室に申し込み、日中は勉学とスキルを磨くことに励んだ。そして夜帰宅した後は、まず宣伝から着手することを決め、動画を作成したり、ライブ配信をしたりして、学んだスキルをネットユーザーに共有した。
そうこうするうちに、李さんのネットでの知名度も少しずつ上がっていき、メンバーを集めてチームを立ち上げることにした。すると、退役した多くの戦友から、「チームに加入したい」と連絡が来るようになったという。2021年2月に李さんは会社を立ち上げ、軍隊の日常的作業の基準を整理収納アドバイザーのスキルと組み合わせ、「軍隊式」の特色を備えたチームが完成した。
李さんは、「高い基準の軍隊式の家事代行サービスチームが、業界に新たな風を吹かせ、業界のサービスが向上し続けるよう促進すると同時に、この業界が一人でも多くの人に認められ、敬意をもって見てもらえるようになることを願っている。退役軍人の家事代行サービスにおいて、変わるのは肩書きだけで、基準は変わらないというのがモットー」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年11月15日
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