人民元調達額が新記録 ユーロ抜き世界2位の貿易・調達通貨に

人民網日本語版 2023年11月23日16:08

オンショア人民元レートの推移。(データ提供はWind)

オンショア人民元レートの推移。(データ提供はWind)

ロイター通信によると、世界の企業と銀行が過去最高額の人民元の調達を進めており、これにより人民元はユーロを抜いて一気に世界2位の貿易取引通貨・調達通貨となった。

人民元相場にも「嵐」が起きている。11月に入ってから、オフショア人民元レートが約2000ベーシスポイント上昇と大幅に上昇した。22日はオンショア、オフショアともレートが1ドル=約7.13元(1ドルは約149.2円、1元は約20.9円)に近づき、約4ヶ月ぶりに最高を更新した。

ロイター通信によると、企業と銀行は中国の大陸部と香港特別行政区で人民元建て債券(パンダ債と点心債)を発行して、過去最高額の人民元の現金の調達を進めている。カナダ・ナショナル銀行は10月に3年物パンダ債を発行して10億元を調達。世界の企業も相次いで中国大陸部の銀行から大量の借り入れを行い、海外における人民元建て貸出業務を進めようとしている。

中国銀行研究院の王有鑫シニア研究員は、「海外機関が中国から大量に借り入れをすれば、人民元の海外での使用が促進され、中国金融市場の発展が牽引され、中国国内の金融システムの競争力が引き上げられる」との見方を示す。

世界で人民元の調達が進められていることを背景に、人民元は貿易取引・調達の面で一気に米ドルに次ぐ世界2位の通貨となった。

王シニア研究員は、「こうした変化により、国際貿易において決済通貨の選択肢が新たに加わり、貿易の資金調達や決済において少数の主要通貨に過度に依存するリスクや、通貨ミスマッチのリスクが減り、国・地域ごとの経済協力・交流を促進する上でプラスになる」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年11月23日

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