中国の科学者 東南極で545mの氷床下から氷床コアと氷下岩盤を取得

人民網日本語版 2024年03月15日13:28

吉林大学が14日に発表した情報によると、同大学の研究者は独自に開発した極地深氷下で掘削ロッドなしで岩盤コアを採取する掘削設備を使用し、東南極(南極大陸のうち、主に東半球部にある地域)の545メートルの氷床を貫通させ、氷床コア(氷床を専用のドリルで掘削して採取した円柱状の氷のサンプル)および氷床下の岩盤の取得に成功した。

吉林大学の研究者である張楠氏、宮達氏、劉昀忱氏は中国の第40次南極科学観測隊メンバーで、3人は無事に科学観測任務を終え、このほど長春に戻ってきた。この成果は、彼らが「東南極ラーズマンヒルズ地域の氷下地質環境研究プロジェクト」に参加した際に得たもので、今回は氷床下の約0.5メートルの岩盤を入手したとのことである。東南極ラーズマンヒルズの氷床下岩盤サンプルの掘削成功は、中国および国際極地掘削技術分野における重大な進展である。

吉林大学によると、南極の氷深部の氷下岩盤を対象とした地質調査・サンプリングは世界で初めてのことで、中国の極地掘削技術が世界先進水準に到達したことを意味する。吉林大学のチームは今後、より多くの新たな科学的発見を得るため、同エリアにより多くのボーリング孔を設置し、より多くのコアサンプルを入手する計画である。

吉林大学建設工程学部は2011年以降、延べ31人を中国の南極科学観測に派遣し、延べ5人を国際南極科学観測に派遣している。

「中国国際放送局日本語版」より 2024年3月15日

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