中米関係の「第一ボタン」をしっかりと留めるには 人的・文化的交流がその一助に
ここ数ヶ月、中米両国首脳のサンフランシスコ会談でのコンセンサスによる戦略的導きの下、中米関係は悪化に歯止めがかかり安定する傾向を示している。「人的・文化的交流の共同促進」は「サンフランシスコ・ビジョン」の重要な内容だ。米アイオワ州のマスカティン高校の生徒達の第1陣が北京市、河北省、上海市などを交流訪問し、ワシントン州のリンカーン高校とスティラクーム高校の生徒達20人余りが北京市、湖北省十堰市、広東省の広州市と深セン市などを見学訪問した他、米国の経済界と戦略学術界の有力者が花咲く春に訪中した。両国各界の関係者の往来と交流の増加は、中米関係の安定的で健全かつ持続可能な発展のために共通認識を積み重ねる一助となる。(人民日報「鐘声」国際論評)
昨年11月、習近平国家主席はサンフランシスコで、米国の友好団体による合同歓迎レセプションでスピーチを行った際、中米関係の礎は人々が築き、中米関係の扉は人々が開き、中米関係の物語は人々が綴り、中米関係の未来は人々が創造するものであることを指摘し、両国民の力を結集し、中米友好を継続し、中米関係を推進し、世界の平和と発展の促進により大きな貢献を果たすべく努力することを強調した。習主席のスピーチは、両国関係発展の礎の在処と未来の方向を語るものだった。
中国による米国青少年5万人来中交流学習プロジェクトの「友好の使者」として、米国のアイオワ州とワシントン州の高校生が見学訪問のため来中したことは、中米関係発展のために未来志向の心の橋を架ける一助となった。マスカティン高校訪中団の生徒は訪問終了後に習主席に手紙を送り、訪中時の喜びを語り、中国へ招待してくれたことへの感謝を表明した。リンカーン高校とスティラクーム高校の生徒は訪問を通じて、中国に対する認識と見方をより豊かで立体的なものにし、帰国後に中国での体験や見聞、感想を家族や友人、同級生、メディアに語った。両国民の相互理解と親交は、現在の両国関係発展のためにより多くの理性的で前向きな声を積み重ねると共に、双方の未来に向けて正しい認識を確立する基礎となった。
中米関係の安定的で健全かつ持続可能な発展には、両国各界の共同努力が不可欠だ。多くの米国企業幹部が北京で中国発展ハイレベルフォーラムの年次総会に参加した。スターバックスの創業者であるハワード・シュルツ氏は新製品のプロモーションのために中国を訪れ、アップルのCEOであるティム・クック氏は上海でアジア最大のアップル直営店の開店に立ち会った。米経済界の有力者の相次ぐ来中は「中米関係は世界で最も重要な二国間関係の1つ」であることを物語っている。「米中の経済関係は密接に依存しており、両国は平和的に共存して初めて、各々の発展と繁栄を実現することができる」「米中は協力しなければならず、正しい付き合いの道を見出さなければならない。これは両国と世界にとって重要なことである」「両国間の経済・貿易関係は特に重要であり、デカップリングは決して正しい道ではなく、我々は引き続き協力を求めることで、ウィンウィンを実現すべきである」。米国の経済界や戦略学術界の有力者の見解は、中米が広範な利益を共有しており、いわゆる「トゥキディデスの罠」は決して必然ではなく、「デカップリングとサプライチェーンの分断」の実行や「デリスキング(リスク低減)」を名目にリスクを生み出すことが、双方の共通利益にならないことを物語っている。
中米関係はこの数年間、少なからぬ曲折を経験し、厳しい試練にも遭遇したが、その教訓は汲み取る価値がある。中米関係が経験してきた様々な困難を通じて、中米関係においてまずしっかりと留めなければならない「第一ボタン」は戦略的認識の問題であることがわかった。中米関係の安定化と改善を推進するには、正しい戦略的認識を共同で確立しなければならない。中国は常に、中米のような両大国が、交流せず、付き合わないわけにはいかず、ましてや衝突や対立をしてはならず、相互尊重、平和共存、協力、ウィンウィンであるべきだと考えている。米国は、平和的発展を堅持する中国を最も主要な競争相手、最も重大な地政学的挑戦などと位置づけ、中国のハイテク発展を執拗に抑圧し、中国の正当な発展の権利を奪うことに固執すべきではなく、中国側と向き合って進み、中米両大国が正しく付き合う道を共に議論し、意見の相違に共同で効果的に対処し、互恵協力を共同で推進し、両国民の交流をより多く支え、便宜を提供し、世界の平和的発展のために大国としての責任を担うべきである。
中米双方は両国民と世界の人々の共通の期待に沿い、和を貴び、安定を重んじ、誠実と信用を重視することを堅持し、両国首脳の共通認識をしっかりと実行に移し、相互尊重の形で対話を強化し、慎重な姿勢で意見の相違に対処し、互恵の精神で協力を推進し、責任ある姿勢で国際協調を強化し、両国民により多くの幸福をもたらし、世界により多くの安定性をもたらすべきである。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年4月15日
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