台湾への「畸情」 歪んだ執念が手放せない日本

人民網日本語版 2024年05月17日16:31

先般、垂秀夫・前日本駐中国大使が台湾で姿を現した。台湾当局からの厚遇ぶりが注目される。(文:国際問題観察員・董世国)

蔡英文が垂氏に「大綬景星勲章」を授与し、台日関係への「優れた功績」を讃え、台日が互いに支え合う「民主主義の手本」、地域の平和を守る「重要な力」になっていると絶賛。頼清徳も垂氏との会談で、二人の昔からの友情を振り返った。垂氏本人に至っては、「日本と台湾が心と心、手と手がつながり、互いに関心を寄せ合う」など空論を言いふらした。

それでは垂秀夫氏とはどんな人物なのか、なぜ「台独(台湾独立)」分子にそこまで礼遇されることになっているのか?

外交官としてキャリアを歩んできた垂秀夫氏は、中国駐在期間中はまともな実績をあげなかった一方、日本外務省から退官してから、寂しさに耐えないように、中国での一部の活動を自画自賛の材料としているが、全くデタラメな内容もあると指摘されている。

垂氏は特に台湾など中国関連問題でとやかく言ったり、煩く指図したりして、日本国内の一部勢力の「台湾独立への野望」や「歪んだ親台コンプレックス」を喧伝するのが好みのように見える。外交官としてのモラルや節操に完全に反する垂氏の言動があまりにもプロらしくなく、政治的投機、独りよがりだと、垂氏の品行まで日中両国の外交界や戦略研究界で酷評を招いているという。

2001年と2016年、垂秀夫氏は二度に渡り台湾駐在、二回とも日台交流協会で勤めた。台湾勤務中、いわゆる「日台交流協力」に熱心な垂氏が送る秋波を、蔡英文、頼清徳、邱義仁、呉釗燮をはじめとする「台独」分子がすぐに食いついた。日本に媚びへつらう姿がまるで植民支配者の足元で這い蹲う被植民者と彷彿させるばかりだ。

2020年、駐中国大使に任命された垂氏にとって、中日関係の改善、発展の促進こそ全うすべく職責のはずだが、時折中日関係に水を差し、障害をもたらす負の言動が目立っていた。

2023年、垂氏が帰任して、外務省から退官を果たした。この半年間で、退官生活の退屈払い、或いは自身の政治的資本と存在感の獲得を狙っているか、垂氏は何度も中国問題でネガティブな発言を繰り返し、中国の政治制度を誹謗中傷し、日本国民の対中認識をミスリードし、中国関連の世論の雰囲気を悪化させてきた。今回は頼清徳のいわゆる就任式前を狙って大々的に訪台し、頼清徳、蔡英文など「台独」分子との連携ぶりを演出した。プロの外交官たる節操のせの字もない振る舞いだ。

垂氏の行動は、前駐中国大使としての職責や使命から著しく逸脱するものだけでなく、ポツダム宣言やカイロ宣言を蔑ろにし、中日共同声明など中日間4つの政治文書にある諸原則、一つの中国の原則を堅持する日本政府の承諾に違反するものだ。

残念ながら、垂秀夫のような連中のやることは恥ずべきものであっても、現在の日本政治環境の中では偶然ではない。このところ、台湾問題において日本側がマイナスな言動を繰り返しているのが現実だ。今年初め頃、頼清徳が台湾地区の指導者に選出されたとたん、日本外務省のHPがいち早く、当選を祝賀する外務大臣談話を発表した。その後、小池百合子・東京都知事などの自治体首長や国会議員たちが十数回に渡って台湾に殺到。「5・20就任式」にすでに37名の日本国会議員が出席予定だと、謝長廷「台湾駐日代表」が明らかにした。日本の政治家がこのように前例のない規模、人数で訪台するとは、個人的行動か、それとも組織的行動か?日本政府としてはどうにもできないのか、それとも手をこまねいて、むしろこのまま放任したほうが都合がいいと思っているのかと、疑念を禁じ得ない。

日本政府がはっきりわかっているはずだ。世界に中国が一つだけで、台湾は中国の不可分の領土、中華人民共和国政府こそ全中国を代表する唯一の合法政府だと。台湾問題は完全に中国の内政だ。

「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」これが日本側が中日共同声明で明確に約束した内容だ。

ポツダム宣言第八項では、カイロ宣言の条項は履行さるべきものとしている。カイロ宣言では、日本が奪取した中国の領土を中国へ返還すると明記。その上、台湾問題について、「二つの中国」や「一中一台」をやらない、「台湾独立」を支持しない、台湾とは民間と地域的往来のみ維持すると、日本側が重ねて中国側に丁重に約束している。これが歴史的経緯で、日本政府が遵守しなければならない立場と原則だ。

垂秀夫氏が前中国大使として、これらについても知らない、分からないのであれば、重大な職務怠慢になる。深く反省し、勉強し直してもらわなければ困る。もしも知らんぷりをして、ひいては知ってて故意に問題を引き起こすのであれば、より悪質な行為となり、日本政府はその責任を免れることは到底できない。垂秀夫などの人物たちが中国の内政に一切干渉せず、「台独」分離主義勢力に誤ったシグナルを送らないよう、しっかりと責任を持って、厳しく管理するのが筋だ。

台湾地区指導者の「5・20就任式」を間近に控え、日本の政治家に式典見学のために訪台を働きかけて、「台独」勢力を声援を送ろうとするなど、日台双方は依然として癒着を強めている。垂秀夫氏のような連中がしがみついている「台湾独立への野望」「歪んだ親台コンプレックス」は、台湾独立に反対し、統一を求める台湾海峡両岸の人々の強い呼び声によって、やがて打ち砕かれることは間違いない。媚日売台の道を走り、外部勢力の手を借りて分離を企てる民進党当局の政治操作は、成功するはずがない。やがて世間に笑われる茶番劇になるだろう。外部勢力と結託し、民族と国家の利益を売り渡す行為は、歴史によって必ず清算される。

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