どうする?ライチの生産量減少 「凍眠」技術で10ヶ月間鮮度保持

人民網日本語版 2024年05月17日09:53

今年4月の豪雨の影響で、今年の中国ではライチの総生産量が前年比45.94%減の178万トンになる見込みだ。黒葉、懷枝、桂味、糯米糍、鶏嘴茘などの中晩生品種は減少率が60-80%に達し、うち全国1位と2位の産地である広東省と広西壮(チワン)族自治区の生産量も大幅に減少すると予想される。

そんな中、広東省農業科学院がこのほど、10ヶ月前に「凍眠」技術により冷凍保存したライチ300トンを相次いで市場へ投入すると発表した。

10ヶ月も冷凍していたライチは食べられるのか。おいしいのだろうか。

試食してみると、果肉はふっくらと弾力があり、つやつやして、新鮮なライチの口当たりを90%とどめていると言えるものだった。

どんな画期的な技術を用いて10ヶ月間も冷凍保存していたのだろうか。

用いられた「凍眠」技術の核心をわかりやすく言えば「急速冷凍」ということだ。水分はマイナス1度からマイナス5度で大きな氷の結晶になり、この氷の結晶の体積が水の体積よりも大きくなると、細胞構造を壊して栄養分が流出する。そこで「凍眠」ではスピードが非常に重視される。液体に浸して急速冷凍する技術により、無毒の低温水溶液に浸されたライチは、水分が結晶化する前に素速く冷凍状態になる。「凍眠」で冷凍状態になる速度は空気冷凍システムを用いる方法より20倍速く、液体窒素を用いる方法より2倍速い。プロセス全体で他の化学添加剤や食品添加物を加える必要もなく、純粋に物理的手段によって新鮮さを閉じ込める。解凍されたライチはプリプリ食感がしっかり残っていて、口に入れればジューシーな味わいが広がる。

だがこの技術はまだ完全なものではない。ライチのすべての品種に適用できない上、生産量を増やす必要もある。それでも、同科学院は改善を続けており、今年はさらに2000トンのライチを「凍眠」させる計画という。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年5月17日

注目フォトニュース

関連記事