パリ五輪に登場する中国のスマート製造のスポーツ用品
まもなくフランス・パリで開催される夏季オリンピック競技大会では、中国メーカーの製造したスポーツ用品が柔道、卓球、ウエイトリフティング、レスリング、自転車など複数競技の競技場に登場することになっている。ここ数年、中国企業の海外進出の歩みが加速し続けるのにともない、五輪などの重要な国際スポーツイベントでは、「メイド・イン・チャイナ」が人々に深い印象を与えている。人民日報が伝えた。
メイド・イン・チャイナが五輪競技場にたびたび登場
撮影・賈鵬(人民視覚)
7月2日、泰山体育産業集団有限公司のパリ五輪競技サービス保証チームがパリへ向かって出発した。同公司が五輪にスポーツ用品を提供するのはこれが7回目になる。
パリ五輪会期中、同公司はレスリング、ボクシング、柔道、自転車、テコンドー、体操など複数の競技にスポーツ用品を提供する。同公司の製造した瑞豹(PARDUS)ブランドの自転車は中国ナショナルチームの選手とともに五輪の競技場を駆け抜けることになる。
撮影・田志鋒(人民視覚)
五輪の競技場では、河北張孔バーベル製造有限公司はおなじみの顔だ。パリ五輪のウエイトリフティング器具の唯一のサプライヤーである同公司の製造した器具は、すでに今年5月初めにパリに到着している。
写真提供・取材対象者
パリ五輪の卓球競技場では、メイド・イン・チャイナが注目を集める見込みだ。紅双喜集団の卓球台は上海市から、広州双魚体育用品集団有限公司の競技用ボールは広東省広州市からパリに送られた。河北省石家荘市の企業の河北英利奥体育用品有限公司は卓球競技場のフロアマットのサプライヤーであり、3×3バスケットボールのコートのサプライヤーでもある。
メイド・イン・チャイナは初期の頭角を現す段階から徐々に現在の足元を固める段階へと進み、五輪の競技場にたびたび姿を現す。中国企業は国際競技イベントでチャンスをつかみ、市場を開拓し続けている。
優れた品質で口コミで好評
張孔バーベルの製造作業場に足を踏み入れると、作業員が目の前の大型機械を注意深く操作していた。見るからに重そうなバーベルだが、その製造工程は非常に細かい作業の連続だ。
張孔バーベルの張志国社長は、「以前に製造していたバーベルは、2枚の金属ディスクはネジと周辺のゴムリングでロックされ、バーベルを地面に落とした瞬間、ゴムリングと金属ディスクの間に隙間ができ、ずれができやすく、バーベルの同心度と安定性に影響が出ていた。この難問を解決するため、当社は開発チームを立ち上げ、プレス機を独自に設計・製造し、一体化プレス技術を革新し、わずか30分でバーベル半製品のプレス作業が終わるようになった。技術イノベーションによって生産効率が上がっただけでなく、さまざまな偏りの問題も起こらないようになった。新製品を発売すると、すぐに国際市場で高い評価を得た」と説明した。
ここ数年、中国企業は開発に力を入れ、製品のテクノロジーのウェイトと付加価値が上がるよう努力し続け、メイド・イン・チャイナから「中国のスマート製造」への発展に積極的に取り組んできた。
現在、体操、柔道、卓球など複数の競技で、中国企業がブランドの新たな勢いと技術の新たな力を示し、国際的イベントに中国の知恵を絶えず提供している。双魚体育が製造した五輪卓球競技用ボールは、出荷されてから五輪競技場に入るまでの間に15の検査項目をクリアしなければならず、真球度、硬さ、重量、はずみなどで国際卓球連盟が規定する誤差範囲を超えないようにしなければならない。誤差が小さければ小さいほど、ボールの落下地点の予測が精密になり、軌道を正確につかめるようになり、選手のパフォーマンスがより素晴らしいものになる。極めて厳格な基準はメーカーにとっては製造技術と検査レベルが試される試練であり、業界の質の高い発展を後押しすることにもつながる。
中国企業の海外進出の歩みがますます安定
世界的ビッグイベントをよりどころにして、多くの中国企業が海外進出の歩みを加速させ、国際的影響力をより一層高めている。
張孔バーベルは40年に及ぶ発展の中で、家族で営む小さな工場から徐々に国際舞台に登場するようになった。今では136の国・地域の市場に進出し、30を超える世界レベルのウエイトリフティング競技会に器具を提供するまでになった。2023年にはアジアウエイトリフティング連盟と戦略的協力合意に調印し、27年には同連盟が開催するアジアのウエイトリフティング競技会で唯一の競技用器具サプライヤーになる見込みだ。
泰山体育はこれまで五輪、ユースオリンピック、ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)、アジア競技大会、中国全国運動会など中国内外の大型スポーツイベントにたびたびサービスを提供し、高い評価を得てきた。卓球の競技場では、紅双喜は重要な器具サプライヤーであるだけでなく、ラケットでも高く評価されている。
今年はサッカーのUEFA欧州選手権やコパ・アメリカ、五輪など重要な国際スポーツイベントが相次いで行われ、多くの中国企業がその中にビジネスチャンスを見いだしている。広西壮(チワン)族自治区北海市では、ビーチテニスラケットとホッケースティックを主に製造するメーカーが大量の注文を受け、今年になってからの輸出受注額は前年同期比30.9%増の9750万元(1元は約22.2円)に達した。江蘇省淮安市では、ボールの中身を製造する加工貿易企業が中身にチップを加えた製品を打ち出したところ、海外市場での売れ行きが好調で、海外からの注文は今年末までいっぱいだという。各種のスポーツイベントで鍛えられたおかげで、イベントの注目点に素速く対応し、市場のニーズに応えることが、今や多くの中国企業の「得意種目」になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年7月5日
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