異例の暴落で注目を集める日本と韓国の株式市場
8月5日、アジアの株式市場が「ブラックマンデー」に見舞われ、主要株価指数が軒並み急落した。特に日本と韓国の株式市場の下落が顕著で、注目を集めている。中国新聞社が伝えた。
この日、日本の株式市場は先週の下落傾向を引き継ぎ、日経平均株価は終値で12.4%の大幅下落を記録し、1日の下げ幅としては過去最大となった。日経平均株価は3日連続の下落となった結果、今年に入ってからの上昇分を全て失い、前年比で約6%の下落となった。
韓国の株式市場も大幅に下落した。同日、韓国総合株価指数(KOSPI)は終値で8.77%も急落し、下げ幅は一時10%を超えた。
日韓に比べ、アジアの他の株式市場は下落幅が小さく、大半が4%から1%の間だった。
アジアで最も大きく下落した日本の株式市場に対し、アナリストは下落の重要な原因は日本銀行(中央銀行)の利上げだと分析している。
7月31日、日銀は政策金利を0%~0.1%の水準から0.25%程度に引き上げると発表した。これは3月の日銀によるマイナス金利政策の終了以来初の利上げとなる。同時に日銀は国債購入規模の縮小も計画している。
華福証券のアナリスト・金晗氏は「これは日銀が金融政策の正常化に向けてさらに大きな一歩を踏み出したことを示している。一方で、日本円は世界市場における重要な低金利融資通貨であり、今回の利上げを市場は十分に織り込めていなかったため、株式市場に激震が走った」と指摘する。
金氏によると、2013年以降の日本の株価上昇は、日銀の積極的な金融政策、全力を挙げた金融緩和政策と密接に関連している。日本の金融政策が大幅に引き締められれば、日本の株式市場に打撃を与え、リスクは他の市場にも波及する可能性がある。
日銀の利上げに加え、米国の景気後退懸念の高まりも、最近の世界的な株式市場調整の重要な原因とされている。
国信証券のアナリスト・王学恒氏によると、最近の米国のマクロ経済指標、特に雇用データの悪化が市場のリスクヘッジムードを高め、米国株に下押し圧力をもたらし、他の市場にも波及している。
8月2日発表の米労働省の統計によると、7月の米国の非農業部門における新規雇用者数は11万4000人にとどまり、失業率は前月比0.2ポイント増の4.3%と、2021年10月以来の高水準となった。
この数値は、景気後退の指標とされる「サーム・ルール」の基準に達してしまっている。このルールは「失業率の3ヶ月移動平均が過去12ヶ月の最低値を0.5%ポイント以上上回る場合、すでに景気後退の初期段階に入ったことを意味する」と定義している。
雇用データの発表同日、米国株の3大指数はパニック売りに見舞われて、ダウ工業株30種平均は1.51%下落、S&P500は1.84%下落、ナスダック総合は2.43%下落した。
財通証券のアナリスト・李美岑氏は、米国の景気後退懸念の高まり、米国の主要テック企業の業績不振、日銀の予想を上回る引き締めなどの要因が重なり、すでに海外市場はリスクヘッジモードに入り、株式市場の変動性が高まっていると分析する。
海外市場が軒並み下落する中、同日午前の中国A株指数は小幅な変動にとどまり、一時は上昇に転じた。しかし、午後に海外市場の下落幅が拡大するにつれて、A株も引きずられる形で3指数ともに下落したが、いずれも2%未満にとどまった。
東方証券のアナリスト・王麗穎氏は同日のA株の動きについて、海外市場の暴落はその国の通貨がドルと強く連動しているためだが、人民元はドルに対して一定の独立性と安定性を持っているため、A株への影響は限定的だと指摘。また、A株の現在の評価額は低めであり、中国政府が成長安定化政策を打ち出し続け、市場への資金参加が活発化していることから、海外市場の影響によるA株下落の余地は限定的だと分析している。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年8月6日
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