一言で場を和ませてくれる?武漢オリジナルぬいぐるみ「蒜鳥」が人気に

人民網日本語版 2025年03月25日14:25

頭から緑色の「芽」が生え、ニンニクのような形の薄い黄色の鳥のぬいぐるみが今、中国のネット上で話題となっている。おどけた表情が可愛らしく、お腹を押すと、アニメ声で湖北省武漢市の方言で「蒜鳥(スアンニャオ)~蒜鳥~」という音声が流れる。中央テレビニュースが報じた。

中国語で「もういいよ」という意味の「算了(スアンラ)」と武漢の方言の発音がよく似ている「蒜鳥」は、普段の生活において、張り詰めた空気を変える時に、「細かいことを気にしないで仲良くしようよ」や「気楽にいこうよ」と促す時に使われる。そのため、「蒜鳥」は、ネットユーザーの間で「武漢の平和の鳥」とも呼ばれている。

デザイナーの男性・李さんは普段の生活のちょっとしたエピソードから「蒜鳥」のデザインインスピレーションを得たという。ある時、李さんは妻を怒らせてしまい、妻の機嫌を取るため、子供が話す武漢の方言を録音したおもちゃを作り、妻を喜ばせたのだという。そして、そのエピソードをソーシャルメディアで紹介したところ、多くのネットユーザーから、そのおもちゃが欲しいとのメッセージが寄せられたのがきっかけとなり、「蒜鳥」をデザインして量産することにしたという。

魔法の一言でバスの乗客のトラブルを解決してくれる「蒜鳥」

武漢市の603番路線バスでは、運転席の横のガラスドアに、この爆発的人気となっているぬいぐるみ「蒜鳥」がかけられており、注目を集めている。その「蒜鳥」を見ると、「人民に奉仕する」と書かれた赤いタスキが掛けられている。

603番路線バスは、市内の中心部のメインストリートを走行するため、利用者が多い。乗客間のトラブルを減らすため、バス会社はトラブルを仲裁するための特訓クラスを開設し、コミュニケーションのスキルを教える専門家も招いている。「蒜鳥」が爆発的人気となってからは、運転手たちは、車内に「蒜鳥」を飾ることで、乗客に、穏やかに譲り合うよう呼び掛けている。さらに、トラブルを仲裁してくれた乗客には、「蒜鳥」をプレゼントしているという。

武漢市公共交通集団有限責任公司第二営運公司の603番路線バスの責任者・徐飛さんは、「車内でトラブルが発生している時、運転手がぬいぐるみを手に取り、お腹を押して『スアンニャオ』という『魔法の一言』が流れると、ほとんどの乗客はたまらず笑い出す」と話す。

では、「スアンニャオ」という方言をテーマにした文化クリエイティブグッズが、爆発的な大ヒットとなっているのはなぜなのだろうか?

武漢市のある文化観光産業関連会社の楊博智総経理は、「人の心を落ち着かせることができるというのが『蒜鳥』の一番の長所。その姿は可愛らしく、アニメ声でイライラを解消してくれ、社会で発生するトラブルを、それとなく、上手に解決してくれる」と語る。

武漢市では今、桜が見頃を迎え、アップデート版のピンクの「蒜鳥」が発売され、花見客の目を楽しませている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年3月25日

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