地下鉄駅構内のコミュニティ食堂が人気に 江蘇省蘇州

人民網日本語版 2025年03月26日14:47

地下鉄食堂で料理を受け取る利用者(撮影・史凌雲 )。

地下鉄食堂で料理を受け取る利用者(撮影・史凌雲 )。

江蘇省の蘇州地下鉄・広済南路駅の構内にある「広済南大食堂」は正午になると、大賑わいとなる。近くに住む李さんは、家族3人でわざわざ食事をしに来て、筍や塩漬け肉などのスープ「腌篤鮮」や、高菜と豆腐の煮込み料理「雪菜老豆腐」、大根の醤油煮「紅焼蘿蔔」、豚肉の醤油煮「紅焼肉」を注文。その値段は計47元(1元は約20.7円)だった。人民日報が報じた。

「広済南大食堂」は中国で初めて地下鉄駅構内に設けられたコミュニティ食堂で、蘇州市で初の一般市民が利用できる国有企業の社員食堂でもある。食堂は、蘇州市軌道交通集団が経営しており、地下鉄1号線と2号線の乗換駅である広済南路駅構内に設置されており、面積は約1300平方メートル。280人以上が座れるようになっている。

この食堂には、近くの会社で働いている人たちもたくさんやって来る。その一人である林さんは、「食事のために、地下鉄に2駅乗って来た。メニューも充実しているし、よりヘルシーな食事ができるので、同僚とよく一緒に来る」と話していた。

蘇州市軌道交通集団有限公司の朱寧副総経理によると、「1日の注文数は2600件前後。夕食の注文のほうが、昼食より多い」という。

数ヶ月前まで、食堂が設けられた場所は地下の遊休スペースだった。蘇州市軌道交通集団は昨年、利用客は多いので、このエリアを食堂エリアにし、社員食堂を一般市民にも利用してもらうことができるのではないかと考え、地下鉄駅構内の遊休資産を活用して商業ポイントを設置し、「人情味、文化テイスト、若々しさ、テクノロジー感」をテーマに、食堂を設置する計画を立てた。そして、約半年かけて、設計と内装工事を行い、ガラス越しに厨房の中を見ることができる食堂が完成した。

「広済南大食堂」が3月初めに正式にオープンすると、大人気となり、周辺の店の売上も伸びるようになった。例えば、隣のコンビニの売上高は30%増え、他の飲食店もオープンするようになった。近くには、蘇州図書館と提携する書店「星連書站」もある。今では、そこは書店、コンビニ、飲食店といった生活サービス施設が集まる商業スペースとなっている。朱副総経理は、「地下鉄駅構内に、市民にとって便利な15分生活圏を作り出すのが目標」と説明する。

蘇州地下鉄の全線を見ると、ストック資産が85ヶ所あり、その総面積は約40万平方メートルに達する。蘇州軌道交通資産経営有限公司の関係責任者は、「4つの改造プロジェクトが今年、完成する計画。それらの収益を地下鉄の線路の建設費用に活用したい」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年3月26日

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