「デジタル化」から「デジタル・スマート化」へ――言い方の変化に込められた深い意味とは
「製造業のデジタル・スマートトランスフォーメーションの促進」「サービス業のデジタル・スマート化の推進」「伝統的インフラの更新とデジタル・スマート化改造の推進」「文化建設のデジタル・スマート化によるエンパワーメントの推進」「全民健康のデジタル・スマート化建設の推進」――第15次五カ年計画(2026−30年)の提言を読み込むと、「デジタル・スマート化」(数智化)という言葉が繰り返し登場する。

第4回世界デジタル貿易博覧会のデジタル・スマート未来テーマ展示エリアの杭州「六小龍」(杭州市のテクノロジー企業6社)コーナーで、格闘パフォーマンスを披露している宇樹科技社の人型ロボット。撮影・徐昱
「デジタル化」から「デジタル・スマート化」へ――言い方の変化に込められた深い意味とは何か。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用して実体経済の産業チェーン・サプライチェーンの各段階を改造・高度化し、価値の再構築を図るプロセスを指す。
一方、デジタル・スマート化とはデジタル化とスマート化が融合した概念だ。デジタル・スマートトランスフォーメーションとは、DXの基盤の上に、自律学習、意思決定最適化、予測分析などのスマート化技術を導入し、生産効率の向上、資源配置の最適化、管理レベルの向上、イノベーション能力の強化を実現することを指す。
大型チェーンスーパーを例に説明すると――
「デジタル化」は、調達、入庫、販売などのデータをリアルタイムで収集・確認でき、事後のデータ分析やマーケティング戦略の立案に活用する段階だ。
「デジタル・スマート化」になると、在庫状況や商品の賞味(消費)期限などの要素に応じて自動で価格調整や販売戦略を策定するほか、気温の変化や祝祭日などを踏まえた需要予測を効果的に行い、自動で発注書を生成するとともに、消費者の購買履歴に基づいてパーソナライズされた商品をレコメンドすることもできるスマートシステムを開発する必要がある。
「デジタル化」から「デジタル・スマート化」へ――中国にはすでに確かな基盤がある。
近年、中国のAI(人工知能)産業は急成長を続け、全体的な実力は世界のトップグループに入っている。中国情報通信研究院の試算によると、2024年の中国AIコア産業の規模は9000億元(1元は約22.1円)を超え、AI企業数は5000社以上、国家レベルAI「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」の「小巨人」企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)は400社を超える。
演算能力の基盤が日増しに強化されている。中国企業は複数のAIチップを発表し、中国製チップはアーキテクチャの革新やエコシステム再構築などの面で段階的なブレイクスルーを達成している。演算能力インフラの規模とレベルが着実に向上し、今年6月末時点で中国の稼働中の演算能力センターの標準ラック数は1085万台、スマート演算能力の規模は788エクサフロップスに達した。
アルゴリズムとモデルが多様化しており、今年6月末までに1509個の大規模言語モデルが発表され、競争力の高い汎用大規模言語モデルが次々と登場。深度求索(DeepSeek)や通義千問(Tongyi Qianwen)などの国産モデルは、世界のオープンソースイノベーションエコシステムをリードしている。
AIの発展においては、応用が鍵となる。60年以上にわたり、AIは技術的ブレイクスルーで盛り上がり、現実から乖離して衰退するという浮沈を繰り返してきた。現在進行中の大規模言語モデル主導のAIブームは引き続き勢いを増しており、実体経済、特に製造業との深い融合が成否の分かれ目となる。これには、「AI+」行動の徹底した推進が必要であり、一方では技術供給を強化して「スマート産業化」を促し、他方では応用能力を強化し「産業のスマート化」を加速させることが求められる。AI産業の質の高い発展を推進し、経済・社会の発展を多面的・深層的・高水準で支援していくことが重要だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年11月20日
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