ハリウッドを揺るがす中国発AI動画生成モデル「Seedance2.0」

人民網日本語版 2026年03月04日15:16

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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中国発の人工知能(AI)動画生成モデル「Seedance2.0」が先ごろリリースされると、世界中のインターネット上で瞬く間に注目を集め、業界関係者からは「映画制作の未来を根底から変えてしまうかもしれない」との声が上がった。米国の映画監督や映画制作関係者は、「このモデルは低コストで『映画レベル』の動画を迅速に生成することができ、『ハリウッドをひっくり返す』ポテンシャルを秘める」との見方を示した。一部の米国ハリウッドの労働組合は同モデルが「権利を侵害する」と批判したが、専門家は「この新型の科学技術ツールが『世界を征服する』歩みはもはや押しとどめることができない」との見方を示した。

同モデルを開発した字節跳動(バイトダンス)の声明によれば、「Seedance2.0」はテキストや画像に基づいて映画レベルの動画を作り出すことができ、ユーザーが詳しい指示を打ち込んだり画像をアップしたりするだけで、60秒以内にオリジナル音声を備えたマルチカメラのビデオシーケンスを生成する。

注目されるのは、同モデル独自のマルチカメラ表現機能は、1つの指示に基づいて複数の相互に関連したシーンを自動生成できることだ。また、全ての場面転換において、キャラクターや視覚的なデザイン・ムードの一致性を自動的に保つことができ、手動で編集する必要がない。

EC産業垂直型検索エンジン「BigGo」の金融チャンネルはコメントを発表し、「多くの業界関係者が『Seedance2.0』は『目下の世界最強の動画生成モデルである』と高く評価した」と伝えた。

米業界関係者は、「『Seedance2.0』の登場は動画コンテンツ制作の転換点になるかもしれない。テキストによる生成を中核とした大規模言語モデルが幅広く応用されるようになった現在、動画・画像の生成に特化した大規模モデルがAI技術発展の次なる段階だとみなされるようになった。業界ではこれまで、この分野でのブレークスルー達成にはまだ2-3年かかるとの見方が一般的だったが、『Seedance2.0』のリリースはその達成が前倒しになったことを意味する」と指摘した。

技術の進歩は大勢の赴くところ

米エンターテインメント週刊誌「バラエティ」によると、映画俳優組合-アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)、ハリウッドの各労組傘下のアーティスト権利団体で構成された「ヒューマン・アーティストリー・キャンペーン」が2月中旬に声明を出し、「『Seedance2.0』は権利を侵害している」と批判した。

実は、検索エンジン「グーグル」が1998年9月4日に正式に発表された時にも、荒れ狂う波のような大きな反響をもたらした。従来メディアはかつて「『グーグル』は従来メディアの利益をかすめ取る存在」との見方を崩さなかったが、最終的にはこの新型ツールが世界を「征服する」流れに抵抗し続けることはできなかった。

ハリウッドで長年エンタメニュースを取材してきたベテラン記者のジュリア・ピアポント氏は、「歴史的な角度から見れば、どのような真の技術革命が訪れる時にも、既存の構造や利益配分に影響を及ぼすことになり、それによって新たな時代を作り出す。『Seedance2.0』は一部の人の利益を減少させるが、より多くの人に恩恵をもたらし、ひいては社会の前進を推進する」との見方を示す。

また、ピアポント氏は、「製品としての特徴から考えると、『Seedance2.0』は大量のハリウッド映画作品を使用してモデル自体について強度の高いトレーニングを行っている。ハリウッド映画大手にとって素材ストックと版権がその支えとなる基盤であることを考慮すれば、彼らの懸念も理解できる。しかし、別の角度から見れば、米国の独立系映画制作会社や従業員、クリエイターは『Seedance2.0』の普及を歓迎するはずだ。なぜなら、このモデルは創作のハードルとコストを大幅に引き下げ、特に特撮効果の制作コストを大幅に引き下げると同時に、作品の水準を高めることができるからだ。この問題について、独立系制作会社と大手制作会社の立場の違いは明らかだ」と説明した。

ピアポント氏は、「かつてグーグルが訴訟に直面した際、解決のために取った方針は、自分たちは単なる創作のプラットフォーム・ツールであり、コンテンツの提供者でも創作者でもない説明することだった。相手方が権利侵害だとして訴訟を提起する場合は、プラットフォームとツールの使用者を訴えるべきであり、プラットフォーム・ツール自体やこれらを提供した者を訴えるべきではないと主張した」と指摘した。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年3月4日

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