ストレス解消や癒しに寄り添いなどの「エモ消費」が中国で爆発人気のワケは?
持ち歩くことができるモチモチ感あるスクイーズ玩具やバーチャル世界で寄り添ってくれる人工知能(AI)、リラックス効果のあるゴールドクレストなど、ストレスを解消してくれたり、感情的に寄り添ったりしてくれるイノベーショングッズが今、中国の若者の間で人気を集めている。
複数の市場研究報告によると、中国のエモ消費市場は現在、安定して成長している。企業情報サイト「愛企査」のデータによると、ここ5年の「ストレス解消」関連企業の登記数は1万1000社以上に達している。そのうちの3100社以上がここ1年以内の登記となっている。
写真提供・新華社
複数のECプラットフォームによると、今年に入り、部屋などに飾る青いバナナやゴールドクレストなどの販売が爆発的に伸びている。青いバナナが人気なのは、「青いバナナ」という意味の中国語「蕉緑」と「イライラする」という意味の中国語「焦慮」の発音が全く同じであることから、「イライラするな」という意味に通じるためだ。また、ゴールドクレストが人気なのは、リラックスするという意味の中国語「軽松」と「緑の松」という意味の中国語「青松」の発音が全く同じであるため、「リラックスしよう」という意味に通じるからだ。また、湖南省長沙市のあるスーパーでは、縦の長さが1メートル以上の袋に入ったポテトチップスや、超特大のスパイシースティック、カップラーメンなどが人気となっている。広西壮(チワン)族自治区南寧市の多くの猫カフェでは、ネコが気持ちよさそうに日向ぼっこしており、客はネコと触れ合って、癒しの時を楽しんでいる。
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重慶大学新聞学院の曾潤喜副院長によると、若者がエモ消費に求めているものは、ストレス解消やリラックス、癒しのほか、誠意や寄り添いなどで、それらバーチャルサービスが、消費者の選択肢を増やし、体験感を豊かにしている。
曾副院長は、「エモ消費は、人々の消費に対するニーズが日に日に多様化し、階層化している結果だ。人々の商品やサービスの実用性に対する要求は高くないものの、提供される情緒的価値や感情的な共感を非常に重視している。現在、エモ消費の商品とサービスは、多様化し、カスタム化されており、消費者は感情的な共感や満足感を得るために喜んでお金を使う」と分析している。
南開大学社会学院の管健教授は、「エモ消費は、消費者が購入という行動を通して、心の隙間を埋めるというのが本質。社会や経済が発展するにつれて、物質的商品はこれまでになく充実しており、人々の生理的欲求や安全欲求は満たされており、より高い次元のものを求める段階に入っている」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年4月30日
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