タクラマカン砂漠拡大防止のために植栽されたバラが開花

人民網日本語版 2025年05月22日16:40

タクラマカン砂漠の拡大を阻止するために10万本植栽されたバラが今、花を咲かせている。

タクラマカン砂漠の周辺を囲うように植林などを行い、砂を固定し、グリーンベルトを作って砂漠の拡大を防ぐ「鎖辺固沙」プロジェクトを実施している中国。昨年11月28日、新疆維吾爾(ウイグル)自治区于田県では、グリーンベルトの空白となっていた最後のスパンにバラ10万本が植栽され、全体の「接合」を完了させた。この「接合」には、砂漠拡大を防止するために励む人々のロマンチックな思いが込められていた。

2024年11月28日、グリーンベルトを完成させるために最後のスパンにバラを植える于田県の人々(撮影・許暁龍)。

2024年11月28日、グリーンベルトを完成させるために最後のスパンにバラを植える于田県の人々(撮影・許暁龍)。

タクラマカン砂漠の拡大防止の難度はどれほどのものか?

砂漠の外縁ではこれまですっと人間と砂との「戦い」が続けられてきた。新疆のタリム盆地にあるタクラマカン砂漠は、「死の海」と呼ばれる中国最大の砂漠だ。

タクラマカン砂漠を囲むようにグリーンベルトを作ることは、砂あらしのオアシスへの襲来を防ぐのが目的であるものの、砂漠の拡大を防ぐことは決して簡単なことではない。

まず、タクラマカン砂漠は、世界で2番目に大きな流動性の砂漠となる。その面積は33万7600平方キロで、江蘇省と浙江省、福建省を合わせた面積に相当するほどの広さだ。

次に、空気は乾燥していて、雨はほとんど降らず、木や植物の植栽における難度が高い。

最後に、タクラマカン砂漠の砂は非常に細かいというのも悩みの種で、昼に太陽が昇ると、地表の温度が非常に高くなる。そして、西から流れ込む冷たい空気と、北東から流れ込む空気がぶつかって対流ができるほか、砂嵐が起きやすい。

そのため緑を増やして、砂漠を減らすことは、一朝一夕で実現できることではない。

于田県の砂漠に植栽されたバラ。(写真提供・和田地区融メディアセンター)

于田県の砂漠に植栽されたバラ。(写真提供・和田地区融メディアセンター)

2012年の中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)以来、中国の砂漠化対策を実施可能な土地の53%において、効果的な対策が実施され、砂漠化した土地の面積が約433万ヘクタール減少し、「全体的に好転し、改善が加速する」という良い流れができ、土地の劣化が「ゼロ成長」となり、土地の荒漠化と砂漠化が減少した。

2024年末の時点で、新疆において、砂漠化対策が実施された土地の面積は約382万4000ヘクタールで、各民族の人々が、タクラマカン砂漠に埋め込んだ「草方格(乾燥したワラで1メートル四方のワラを碁盤の目のように並べて砂に埋め込むこと)」の面積は約3万3680ヘクタール、人工造林の面積は累計で約115万ヘクタール、植栽された木は20億本に達した。これらの木を1メートル間隔で並べると地球を約50周できるほどだ。

そして今、タクラマカン砂漠周辺のグリーンベルトの最後のスパンに植栽された10万株のバラが花を咲かせている。しかし、砂を固定する作業が、これで終わったわけではない。これらの成果を維持し、黄砂の拡散を根本的に解決することが、砂漠化対策の長期的な目標となっている。

「人民網日本語版」2025年5月22日

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