中国が発展途上国でありながらCO2削減を堅持する理由
ネットで最近、「いくつかの先進国はすでに二酸化炭素(CO2)排出量の削減を放棄したとの報道を見た。我が国は発展途上国なのに、なぜ依然としてCO2排出量の削減を堅持するのか?」との問いが投げかけられた。中国がCO2削減を堅持する理由は何だろうか?人民日報が伝えた。
直接的な理由は、地球温暖化が人類の生存と文明の継続を脅かしているからだ。国連は、温室効果ガスの排出量増加と気候災害の頻発・激化との間には直接的な関係があり、地球温暖化が現在加速していることを繰り返し警告してきた。地球温暖化のもたらす影響から逃れられる国は存在しない。
さらに突き詰めていくと、国際レベルの理由と国内レベルの理由がある。
国際レベルの理由としては、中国にとって、大国としての責任を自ら担い、人類運命共同体の構築を推進するうえで、CO2排出量の削減が差し迫って必要であるからだ。中国はグローバル生態文明建設の重要な関与者、貢献者、先導者として、グローバル環境ガバナンスに深く関与し、その中で発言力と影響力を高め続けている。中国は、世界で最も大きく、最も整った新エネルギー産業チェーンを作り上げており、2023年に輸出した風力発電・太陽光発電製品だけでも、他国のCO2排出量の約8.1億トンの削減に寄与した。
国内レベルの理由としては、CO2排出量の削減が経済と社会のグリーン・低炭素モデルへの転換と持続可能な発展に寄与するからだ。CO2排出量削減は、日増しに高まる美しい生態環境を求める人々の声に応えるものであり、人と自然の調和ある共生を促進する。中国はエネルギー構成の調整に力を入れており、水力発電・原子力発電・風力発電・太陽光発電の発電量を大幅に増やすことで、CO2排出量を削減するだけでなく、PM2.5及びその他の大気汚染物質の排出量も削減してきた。CO2排出量の削減は、資源・環境による制約の際立った問題の打開、持続可能な発展の実現に寄与する。また、CO2排出量の削減は、技術進歩の趨勢への適応、経済構造の転換と高度化の促進にも寄与する。
以上の点から、CO2排出量を削減することで、同時に発展を実現できることが分かる。「なぜCO2排出量を削減するのか」を考えることは、本質的には「いかに発展するか」を探究することなのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年6月3日
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