複数の国際投資銀行、中国の経済成長率予測を上方修正
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最近、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど複数の国際投資銀行が、2025年の中国の経済成長率予測を上方修正した。その理由として、中国のマクロ政策が実施されて効果を現したこと、中米経済貿易会談が実質的な進展を遂げたことなどを挙げた。
ゴールドマン・サックスの中国担当チーフエコノミストの閃輝氏は、「中米が二国間の関税水準を大幅に引き下げたことを考慮して、中国の2025年の輸出量成長率の予測値を5ポイント引き上げ、中国の国内総生産(GDP)成長率に対する純輸出の寄与度を以前のマイナス0.5ポイントから0.1ポイントに引き上げた。ゴールドマンサックスはさらに中国今年の第2四半期(4-6月)と下半期(7-12月)の前期比GDP成長率予測も上方修正し、25年の通年のGDP成長率予測値を0.6ポイント上方修正した」と述べた。
野村証券中国エリアのチーフエコノミストの陸挺氏は、「消費財買い替え政策の強化と範囲拡大にともない、4月の中国の小売データは好調なものとなった。また中米経済貿易会談が実質的な進展を遂げたことを背景に、一部の輸出企業は出荷準備を加速させており、第2四半期の中国の輸出に一定のプラス効果が見込まれる。これにより、野村は中国の第2四半期GDP前年同期比成長率予測値を1.1ポイント引き上げ、通年のGDP予測値も0.5ポイント引き上げた」と述べた。
JPモルガン・チェースの中国担当チーフエコノミストの朱海斌氏は、「2024年9月以降、中国は経済促進政策パッケージを打ち出し、積極的な効果が現れている。今年の財政政策はこれまでよりも積極的で、赤字率は前年比1ポイント高い4%前後に設定した。政府の債券発行規模も例年より大幅に拡大した」と述べた。
モルガン・スタンレーの中国担当チーフエコノミストの邢自強氏は、「今年の中国の人工知能(AI)分野でのブレークスルーは、中国のサプライチェーンとイノベーションの優位性を市場に再認識させた。これを裏で支えているのはインフラ、データ、人材、エネルギーなどを含む力強いエコシステムだ。AIの応用は労働生産性を高め、より多くの価値を創出し、潜在的なGDPの水準を高めている」との見方を示した。
このほか、スタンダードチャータード銀行やUBSグループなど複数の金融機関も、「さまざまな政策的支援の下、中国経済は外部からの打撃に耐え抜き、高い強靱性と活力を示している」とした。
最近、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長兼最高経営責任者(CEO)、シティグループのジョン・ドゥガン会長、カーライル・グループのハービー・シュワルツCEOら国際金融機関のトップが相次いで中国を訪問し、中国経済の発展の見通しについて楽観的な見方を示し、中国市場を引き続き深く開拓したいとの意向を表明した。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年6月3日
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