中国で大学統一入学試験が開始 今年は1335万人が受験
2025年度中国大学統一入学試験 (通称「高考」)が7日に開始し、受験生1335万人が試験会場へと向かった。
試験会場に入る首都師範大学附属中学校(中高一貫校)の受験生(6月7日撮影・高潔)。
8省・自治区が「新高考」の改革を実施
今年は、四川省、河南省、山西省、内蒙古(内モンゴル)自治区、雲南省、陝西省、青海省、寧夏回族自治区の8省・自治区が「新高考」の改革を初めて実施した。これで、「新高考」の改革を実施した中国の省・自治区は29となった。
「新高考」は、何が「新」なのだろうか?試験科目を見ると、8省・自治区は「3+1+2」という新しい受験スタイルを採用した。「3」は、全国統一の必須科目である語文(中国語)、数学、外国語の3科目を指す。「1」は、第一選択科目を指し、受験生は歴史と物理のいずれか「1科目」を選択する。「2」は第二選択科目を指し、化学、地理、思想政治、生物の中から「2科目」を選択する。
成績の配点を見ると、「新高考」は、「ランク分け」制度が採用されている。全国統一の必須3科目と選択3科目の得点を合計するスタイルが採用されており、750点満点となる。うち、全国統一の必須科目は各150点満点、選択科目は各100点満点となっている。語文や数学、外国語、歴史、物理は、受験生の得点が「文化課」の成績にそのまま加算される。一方、思想政治、地理、化学、生物の得点は公表されず、成績がA、B、C、D、Eというランクに分けられ、ランクに基づいて、Aが100-86点、Bが85-71点、Cが70-56点、Dが55-41点、Eが40-30点加算される。
新たに29学科が開設
中国教育部(省)が先頃発表した「2025年度普通高等学校学部・学科目録」(「普通高等学校」は高等教育機関を指す)には、人工知能(AI)、カーボンニュートラル、デジタルガバナンスなど29学科が新たに学部・学科目録に組み込まれ、2025年度の「高考」新入生募集計画にも組み込まれた。
その他、大学の新入生募集を見ると、「ハイクオリティな学部拡大」のシグナルが発せられており、「双一流」(世界一流大学・一流学科)対象の大学の学部新入生募集規模が2万人に拡大されることになっている。今年の春学期開始以降、北京大学や清華大学、中国人民大学、上海交通大学などが、新入生募集枠の拡大計画を続々と発表し、人工知能や新エネルギーといった先端分野や新興業態などの学科を重点的に設置する方向性となっている。(編集KN)
試験前にハイタッチやハグ
6月7日、雲南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州蒙自市の第一高級中学校の試験会場前でエールを送るために、受験生とハイタッチする女性警察官。
黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市第九中学校の試験会場前で、教師とハグする受験生(6月7日撮影・王建威)。
黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市第九中学校の試験会場前で、教師とハグする受験生(6月7日撮影・王建威)。
合格を祈る保護者たち
6月7日、2025年高考が始まった広東省広州市の広州第七中学校の試験会場前を、「幸先の良いスタートを切ってほしい」という思いを込めてチャイナドレスを着た受験生の保護者。
良い成績を収めるという意味の「一挙高中」にかけて「粽(中国語の「中」と発音が似ている)」を「挙」げてゲン担ぎする受験生の父親。
6月7日、2025年高考が始まった広東省の珠海実験中学校の試験会場で受験生を見送る保護者。
幸先の良いスタートを切るという意味の「一挙奪魁」にかけて、向日葵(中国語の葵と魁の発音が同じ)を持って受験生にエールを贈る男の子。
山東省青島市城陽第一高級中学校の試験会場前で、双子の下の息子たちと一緒に受験生の上の息子に手を振る母親(6月7日撮影・李紫恒)。
受験生が無事試験会場に向かえるよう各方面がサポート
6月7日、雨天となった安徽省蕪湖市第一中学校の試験会場前で、受験生が安全に試験会場に向かうことができるよう、交通整理を行う警察官。
湖南省の長沙麓山国際実験学校の試験会場前で、身分証明書を紛失した受験生のために手続きを行う警察官(6月7日撮影・陳振海)。
6月7日、雲南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州の蒙自市第一高級中学校の試験会場前で、車椅子に乗った受験生を試験会場まで送る警察官。
四川省の成都玉林中学校の試験会場前で、識別番号の下三桁が「985」の警察官の周りに集まる受験生。中国では中国政府が重点的に建設を進める「985プロジェクト」の対象となった大学が「985」大学と呼ばれている(6月7日撮影・張浪)。
「人民網日本語版」2025年6月9日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn