中国の「全国肥満率分布マップ」が発表 北方エリアの肥満率が高い傾向

人民網日本語版 2025年09月10日14:59

中国では、9月は「全国民健康的なライフスタイル月間」となっている。それを受けて、中国天気網は中国疾病予防管理センター・非感染性慢性疾患(NCDs)予防・管理センターと共同で、「全国肥満率分布マップ」を発表した。

中国疾病予防管理センター・NCDs予防管理センターの調査結果によると、「全国肥満率分布マップ」は、中国の31省(自治区・直轄市)を、肥満(BMI≧28)の成人(≧18歳)の割合に基づいて、5ランクに分けて、色別で表示しており、色が濃いほど肥満率が高くなっている。肥満率が最も高かった北京市、天津市、河北省、山東省などは、5人に1人が肥満となっている。それに対して、肥満率が最も低いのは湖南省や江西省、広東省、広西壮(チワン)族自治区、青海省、寧夏回族自治区で、10人に1人が肥満となっている。

中国の肥満率分布マップ

中国の肥満率分布マップ

全体的に見ると、中国北方エリアの肥満率が、南方エリアよりも高い傾向にある。それは、北方エリアの人は背が高くてがっちりしている一方、南方エリアの人は背が低くて、瘦せ型という多く人のイメージと合致している。

「肥満率マップ」は、肥満は複雑な問題で、単に「食べすぎ」や「運動不足」が原因ではなく、遺伝や気候、飲食、地形、社会環境といった様々な要素が重なった結果であることを示している。北方エリアは冬が寒く、家にいる時間が長くなり、外で活動する時間が減る。また、炭水化物や脂質が多い食べ物をたくさん食べて、冬に備えるほか、地形が平坦で、普段の活動であまりエネルギーを消耗しない。一方、南方エリアは、暖かい気候で、さっぱりとした飲み物や食べ物が好まれ、山が多いため、普段の活動でも、自然と運動となっており、肥満を抑制するうえで、有利な条件が揃っている。その他、糖分の高い加工食品が広く食べられるようになっていることや、仕事で座っている時間が長いこと、ストレス食いといった問題は全国共通で、肥満がどの地域でも共通の課題となっている。

「肥満率マップ」は、「健康中国建設」戦略に、参考となる情報を提供している。政府当局は、地域の特徴に合わせて、差別化した対策を策定する必要がある。また社会レベルで考えると、企業は会社の環境を改善し、従業員が仕事の合間に「体操」や「運動」をする時間を設けることも検討する必要がある。そして個人レベルにおいては、マップは一種の警鐘となっており、積極的に運動を増やし、食習慣を改善し、隠れ肥満につながる原因に注意するようにしなければならない。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年9月10日

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