浙江大学、骨折を治療する「骨用接着剤」を開発

人民網日本語版 2025年09月12日13:30

浙江大学医学院付属邵逸夫病院は、人体の血液環境下で即時かつ強力な接着を実現できる骨用接着剤材料を独自に開発し、粉砕骨折の接着治療を目的とした多施設ランダム化対照臨床研究の被験者登録を完了した。150例を超える患者で良好な安全性と有効性を示し、各指標はすべて事前に設定された基準を満たしたことが9日、同病院への取材で分かった。この革新的な生体材料は大小さまざまな骨片の接着固定に用いることができ、整形外科領域に治療モデルのイノベーションをもたらすことが期待されている。新華社が伝えた。

同院整形外科主任の范順武氏は、「骨折治療において従来の金属固定法では解剖学的整復が難しく、小さな骨片の固定は時間と手間がかかり、密着した接合が困難だった。また、骨片の紛失や吸収を引き起こしやすく、不可逆的な骨量損失を招き、骨癒合の遅延や偽関節を引き起こし、患者の機能や生活の質に深刻な影響を与える」と説明。

長年にわたり、科学者や臨床医は骨接着材料の研究を続けてきたが、生体安全性と液体環境下での接着強度という2つの技術的課題を突破することはできなかった。2016年から、范氏が率いるチームは研究を続け、カキの生物接着メカニズムからインスピレーションを得た。50種類以上の処方改良と数百回に及ぶ試験最適化、マウス・ウサギ・イヌなど多数の動物実験を経て、材料の生体毒性・血液環境下での接着性・手術操作の容易さといった課題を克服することに成功した。この革新的な成果は、「骨02」という興味深い名前が付けられた。これは中国で広く知られる「502接着剤」にちなみ、整形外科分野で同等の強力な接着力と幅広い応用が実現することへの期待を込めたものだ。

実験データによれば、「骨02」の最大接着引張力は200kgを超え、金属製の内固定材の代替となる可能性を持つ。同時に金属異物反応や感染リスクを低減し、手術効率を大幅に向上させ、術中の損傷を減らし、真の整形外科手術の低侵襲化を実現する。

チームメンバーの林賢豊副主任医師は、「この材料はほぼ全身のあらゆる部位やさまざまなサイズの骨折修復、とりわけ従来の器具では固定が難しい微小な骨片に適している。その迅速な接着性と使いやすさから、将来的には国防や災害救援など特殊な場面での骨折緊急治療にも応用できる見込みだ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年9月12日

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